「マツダ2」へと名称を改めたマツダ・デミオ。他のマツダ車で行われた一連のアップデートを受け、国産コンパクトカーのステレオタイプなイメージを抜け出し、世界で闘えるクルマへと進化。その走りと内外装の進化をレポートする。
日本のコンパクトカーのイメージを一新!
長年親しまれてきた「デミオ」は「マツダ2」へとネーミングを変更。歴史や知名度を勘案すると、既存のユーザーが離れてしまうのでは? と老婆心ながら心配してしまったが、鼓動デザイン、上質なインテリア、スカイアクティブ・エンジンなどを手に入れたことで、グローバル水準のコンパクトカーへと成長。そしてこの度、日本以外の国の名称である「マツダ2」へと統一を図ったのだ。
実車を目の前にすると冒頭の不安はすぐに消え失せた。メッシュパターンのフロントグリルと新デザインのLEDヘッドライトは、都会的でスタイリッシュ。足元の高輝度塗装で質感が高められた16インチアルミホイールもサルーンのそれと思えるほど。バイカラーのレザーシートもアカ抜けているから、普段着よりも少し着飾って買い物やドライブに出かけて……と、気づいたらマツダ2で出かけることを想像してワクワクしていた。
もちろん乗り味も期待を裏切らない。スカイアクティブG(ガソリン)なら一体感のある走りが楽しいし、スカイアクティブD(ディーゼル)なら、長距離クルージングもドシっとしていて頼もしいだろう。両方とも新型車ではお馴染みのGベクタリング・コントロール・プラスを備えているから、ドライバーもパッセンジャーも快適な移動時間を過ごせることに違いない。
ひと通りの取材を終え、出発地点に戻ってくると、「デミオ」より「マツダ2」の方が、このクルマにはしっくりとくると感じられた。走りもデザインも世界で闘える日本を代表するコンパクトカーであると確信できたからだ。いち自動車誌の編集者として太鼓判を押したくなる一台であった。