ボルボ

【国内試乗】インフォテイメントシステムに Googleを搭載したXC60が登場「ボルボXC60」

ボルボXC60がフェイスリフトを受け刷新された。大きなトピックは新しいインフォテイメントシステムとしてGoogleがインストールされ、パッセンジャーは新しいドライビング体験を手にすることができる。システム操作や一般道試乗を行った印象をお届けしよう。

インフォテイメントの”中身”が大きく刷新

モデルとしては初のフェイスリフトを受けたXC60。外観デザインの小変更、先進安全機能の一部変更に加え、新インフォテイメントシステム「Google Apps and Service(Googleアプリ)」が採用されたことが最大のトピック。誤解なきよう記しておくと、Google Playの中のアプリ、Audroid Autoとは別物で、ナビゲーションシステム(Googleマップ)や音声認識システム(`22年春から使用開始予定)などがインフォテイメントシステムにインストールされている。

つまり、大型タッチディスプレイの向こう側は完全刷新され、新しいユーザーエクスペリエンスを提供してくれることとなるわけだ。

走行モードの選択はダイヤル式からタッチディスプレイ操作に一本化。後退時のオートブレーキも新たに設定された。

ボルボは世界的な脱炭素化の動きにいち早く合わせたと同時に、加速するテクノロジーの発展にも着目。走行性能と同様にユーザーインターフェイスは、自動車メーカーとその製品が成功するか失敗するかの分かれ目になることを熟知しているボルボだからこそ、今回のGoogleアプリ導入に踏み切ったのではないだろうか。

12.3インチのデジタルメーターナセルディスプレイは、ブルーを基調としたデザインを採用。2モードの表示切り替えが可能。

今回は先進安全機能以外は走りに影響する刷新はないとのアナウンスから、新導入されたGoogleアプリの使用に注力して試乗を行なった。第一印象は、Audroid AutoやApple CarPlayのように、ケータイ電話のシステムをモニター投影しているのとは全くの別物で、クルマ自体がGoogleであることで、ユーザビリティが格段と高まっていることに驚かされた。自分のGoogleアカウントでログインすれば、パソコン、ケータイ、クルマがシームレスにインテグレーションする感覚は想像以上にドライバー、あるいはパッセンジャーに歓びを与えてくれる。

グリルの中心に新型センサーが導入されたことで、目の前を横切る自転車にも機敏に反応できるようになった。また前後バンパーとグリルデザインが刷新され、よりシャープな印象に。

取材した11月初旬は、音声認識システムが日本語対応していなく試せなかったが、来年春から使用できれば、きっと「ヘイ! Google」などと言った後に音声コマンドを入力することで、車内のさまざまな設定や好みを操作することができるようになる。例えば、エアコンの温度を変更したり、シートヒーターやベンチレーションを作動させることも可能。また「Google Home」との連携もできて、オーナーが所有する他のコネクテッド製品のネットワークにボルボ車が組み込まれ、クルマに「家の電気をつけて」と言えば、Googleがそれを実現してくれることとなる。

ダイヤモンドカットによる新しいデザインが採用されたアルミ合金20インチ5スポークホイールを装着。

主に中身だけのフェイスリフトといえ、XC60は大きな進化を遂げたと言えるだろう。

Specification
■全長×全幅×全高=4710×1900×1660㎜
■ホイールベース=2865㎜
■車両重量=2160㎏
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ+SC/1968㏄
■最高出力=318ps(233kW)/6000rpm
■最大トルク=400Nm(40.8㎏-m)/2200-5400rpm
■モーター形式/種類=T2B(前)、AD2(後)/交流同期電動機
■モーター最高出力=46ps(前)、88ps(後)
■モーター最大トルク=160Nm(前)、240Nm(後)
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=255/45R20:255/45R20
■車両本体価格(税込)=9,590,000円
■問い合わせ先=ボルボ・カー・ジャパン70120-922-662

フォト=安井宏充/H.Yasui(Weekend.) ルボラン2022年1月号より転載

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