ホンダ

【国内試乗】裏切らない完成度を誇る軽バンBEV!「ホンダN-VAN: e」

商用や趣味などのユースケースに特化した軽バンBEV「N-VAN: e」。インテリア類は必要にして十分な簡素さだが、走りの印象は、実に信頼性の高い仕上がりであった。

商用でも趣味でも過不足なし!

趣味や仕事の相棒として支持を得てきたN-VANから、ついにBEV版N-VAN:eが登場。法人の商用ユースからのニーズが最も高いとされるが、その出来栄えは目を見張るものがあった。

試乗車は趣味用と商用の良いとこ取りといえる「e: L4」グレード。急速充電のほか、リアシートピローやスマートキーシステムなどの快適装備を充実させたければ「e: FUN」グレード(2,919,400円)をセレクト。

走り出すとまず気付かされるのが腰の低い安定感。床下に限りなく小さく収められたバッテリーによりN-VAN比で60mm重心が下がり、空荷状態でも上屋の揺れは最小限に抑えられている。アクセル操作に対する反応もリニアで加速感も良好。

ランプウェイからの合流シーンでもスムーズに流れに乗れ、日常域で非力さを意識することは少なそうだ。実際には試せなかったが、配送業やオートバイの積載をする方にとっても同様の評価を得られているという。

試乗で最も印象的だったのはステアリングの操舵感。かつてN-VANを試乗した時にはステアリングの軽さが気になり、スピードを上げると握る両手に緊張感がひしひしと伝わってきた。しかしN-VAN:eは良い意味で適度に重く、必要なインフォメーションが十分に伝わってくるゆえの安心感や、その先にある“ファン”を、そこはかとなく感じさせてくれた。

豊富な純正アクセサリーを装着すれば用途に応じたアレンジが可能。

“ファン”という意味では、BEVゆえにAC外部給電器で最大出力1500Wの電気を取り出せるので、アウトドアシーンでは家電やアクティビティに電気を活用することも可能となる。

車内で電気を使用するときは、クルマ左後方の給電口に外部用接続ケーブルで電気を引き込めば、荷室に新設されたコンセントから電気を使える。

商用ユースの観点から一充電走行距離は245kmとなるが、ホンダは趣味車や長距離移動に対するケアにも抜かりはない。「EVカーナビ by NAVITIME」は、アプリ内の専用機能が車両と連携することで最適なルートと充電ポイントを案内。冷暖房による使用電力も加味しながら最適解を導くので、不安やストレスは大幅に軽減されるだろう。

完成度は実に高い一台と言える。

「e: FUN」にはフロントに急速充電と普通充電が備わる。普通充電は満充電まで約4.5時間、急速充電は充電残量警告灯が点灯した時点から、30分で充電量約80%まで回復可能。

【Specification】ホンダ・エヌバン e: L4
■車両本体価格(税込)=2,699,400円
■全長×全幅×全高=3395×1475×1960mm
■ホイールベース=2520mm
■トレッド=前:1310、後:1315mm
■車両重量=1540kg
■モーター形式/種類=MCF7/交流同期電動機
■モーター最高出力=64ps(47kW)
■モーター最大トルク=162Nm(16.5kg-m)
■バッテリー種類=リチウムイオン電池
■バッテリー容量=29.6L
■一充電航続可能距離(WLTC)=245km
■サスペンション形式=前:マクファーソン/コイル、後:トーションバー/コイル
■ブレーキ=前:ディスク、後:ドラム
■タイヤ=前:145/80R13、後:82/80N LT

問い合わせ先=本田技研工業 TEL0120-112-010

フォト=佐藤亮太 ルボラン2025年1月号より転載

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