国内試乗

【国内試乗】「ボルボ・S60 T8」北欧仕立ての戦闘モード

ポールスターによる特別なチューンが施されたS60 T8ポールスター・エンジニアード。ハイパフォーマンスと北欧仕立ての上質さが共存する今夏発売予定のエクスクルーシブな限定車を試乗した!

上品だけど速い。そのギャップがツボ!

昨年末に30台の特別限定車として販売されたS60 T8ポールスター・エンジニアードは瞬く間に完売した。その尖ったキャラクターを支持するのは熱狂的なファンとはいえ、ひと度ステアリングを握れば、そのワケも合点いってしまう。

ブラッククローム仕上げのステンレススチール製エキゾーストパイプを装備。エキゾーストエンド上部にはポールスターのロゴがあしらわれる。

S60 T8には、ブラックのボディカラーが与えられ、20インチの大径5Yスポークホイールとブレンボ社によるゴールドの6ポッドキャリパーが目を惹く。コクピットに乗り込めば、専用のスポーツシートが迎え入れてくれ、ステアリングにはS60T4〜6では消滅したパドルシフトが備わる。近年コンフォート性やサスティナビリティに大きく舵を切るボルボの中で、戦闘モードであることは十分に理解できるだろう。

ファインナッパレザー/オープングリッドテキスタイルを採用したスポーツシートと、専用キャリパーと同色のシートベルトがインテリアのアクセントになっている。

走り出せば、エンジンに独自チューニングを施し、さらにモーターのアシストも加えることでシステム合計420psを叩き出すパワープラントは、スポーティ以上にレーシー。PHVであることを考えれば、あきれてしまうほどハイパフォーマンスだが、そのギャップが面白くてクセになる。

ワインディング路では、減衰力調整式のオーリンズ製ダンパーが巧みで、わずかなロールを許してから俊敏な立ち上がりをみせる。また、他のS60はステアリングへのインフォメーションが少な目だったが、こちらは必要な路面状況を手に感じとることができ、ハンドリングも実に正確。それでいて、ドライバーや同乗者の乗り心地もキープできているのは流石の仕上げであった。

今回は2021年モデルとして今夏に前回と同数程度リリースする予定だが、今後の状況ではずれ込む可能性もありそうだ。

フォト=篠原晃一/K.Shinohara ルボラン2020年6月号より転載

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