ハイパフォーマンスチューンが施された特別限定車、ボルボV60T8ポールスター・エンジニアード。高い走行性能と北欧仕立ての上質さが共存するボルボ流、走りの極意とは?
上品だけど速いそのギャップが魅力!
S60を皮切りに、特別限定車として順次ラインナップされるポールスター・エンジニアードファミリー。今回試乗したV60と共にXC60も新たな一員になったことで、熱狂的なファンだけでなく、ボルボ流スポーティネスを味わいたい、多くの方に門徒が開かれたと言えるだろう。しかし、V60が20台、XC60が30台と、欲しい方全員が手に入れられる販売台数ではなく、もはや恒例の早いもの勝ちといった状況だ。
まずその佇まいは、19インチの大径5Yスポークホイールとブレンボ社によるゴールドの6ポッドキャリパーが目を惹く。コクピットに乗り込めば専用のスポーツシートが向かえ入れてくれ、ステアリングには下位グレードでは消滅したパドルシフトが備わる。
試乗は箱根のワインディング路で行ったが、独自チューニングを施したエンジンとモーターが発揮するシステム合計出力はパワフルで、スポーティ以上にレーシー。鋭い回頭性でわずかなロールを許してからの俊敏な立ち上がりも、“いつものボルボ”とは異次元だが、ボルボに期待しているエレガントさやコンフォート性が損なわれていないのは流石。それが、かつてのポールスターと今のポールスター・エンジニアードと一線を画すところとも言えるだろう。
ちなみに、22段階の減衰力調整式のオーリンズ製ダンパーのフロントを、手動で硬めに締め上げて走ってみたが、コーナーの立ち上がりは一段と鋭くなり、もはや試乗ステージはサーキットの方が適切だと感じられた。
エレガントで俊足でコンフォート。これこそポールスター・エンジニアードのみで得られる快楽だ。