ジープのフラッグシップであるグランドチェロキー。2列シート仕様が新たに追加設定され、試乗の機会を得た。往年のアメリカンSUVらしさを保ちながら、プレミアム性と取り回し性能なども高まった仕上がりとなっていた。
【写真10枚】日常性能が高まったアメリカンプレミアムの筆頭『ジープ・グランドチェロキー』の詳細を写真で見る
アメリカンプレミアムの最新モードを体現!
昨年12月に3列シート仕様の「L」から国内導入を果たした新型ジープ・グランドチェロキー。これは、ジャーマンプレミアムとの差別化やジープワールドが織りなすプレミアムの世界観をアピールするための戦略と見て取れるが、10月24日に2列シート仕様の2LガソリンとPHEVが新たに追加設定された。
「L」にはなかったPHEVの設定がトピックではあるものの、今回試乗が許されたのは2Lガソリンの「リミテッド」グレード。まず、走り出してすぐ好印象だったのは、「L」が搭載するV6から直4に替わったことによる軽やかな旋回性。アメリカ車は、重さ=タフさという等式を成り立たせてしまう〝ならでは〞の個性があるものの、実際のところ直4/2列シートの方がノーズの軽さやサスペンションの収斂性は良好で、上位に位置する「L」よりも乗り味は上質。ハンドリングはクイックともダルとも言えない絶妙な設定で、往年のアメリカ車ファンだけではなく、欧州ブランドから乗り替えても違和感のない塩梅に落とし込まれているのも美点だ。
全長4900mm(「L」は5200mm)、ホイールベースは2965mm(同2090mm)と、7人乗り仕様と比べ全長は約300mm、ホイールベースは125mm短縮され、最小回転半径は6mを実現。取り回し性は大幅に向上したことも実感できた。
また、最高出力272ps、最大トルク400Nmを発揮する2L直4エンジンに不足はなく、じわじわと盛り上がるトルクは実に鷹揚で、今回は叶わなかったが、ロングドライブでこそ、その魅力は存分に味わえるはずだ。
限りある試乗時間ではあったが、新型グランドチェロキーはアメリカンプレミアムの最新モードを体現し、ジープの旗艦として揺るぎない一台であった。
【Specification】ジープ・グランドチェロキー・リミテッド2.0Lサンルーフ仕様
■全長×全幅×全高=4900×1980×1810mm
■ホイールベース=2965mm
■トレッド(F:R)=1665/1665mm
■車両重量=2090kg
■エンジン種類=直4DOHC16V+ターボ
■排気量=1995cc
■最高出力=272ps(200kW)/5250rpm
■最大トルク=400Nm(40.8kg-m)/3000rpm
■燃料タンク容量=87L(プレミアム)
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=マルチリンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F&R)=265/60R18
■車両本体価格(税込)=9,100,000円
■問い合わせ先=ステランティスジャパン ☎0120-712-812