国内試乗

【国内試乗】これぞプリウスファミリーの大本命モデル! 「トヨタ プリウスPHEV」

正確無比なハンドリング性能に驚愕!

いますぐできる電動化を徹底的にやっていく――。トヨタ自動車の佐藤新社長は経営方針説明会で冒頭のように熱を込めて語ったが、実質、その先鋒を司ったのが新型プリウスと言えるだろう。

先代よりもホイールベースとタイヤ径が拡大したことで小回り性能は多少犠牲となったが、ステアリングの操作性が向上したことにより、ドライブ中はそのネガを一切感じさせることはなかった。

昨年11月にHVモデル、今年の3月15日にPHEVモデルがリリースされ、今回はPHEVモデルの公道初試乗の機会を得ることができた。
トピックは、プリウスファミリーの中ではPHEVモデルが最上位となり、走りはHVモデルよりもややスポーティに仕立てられている。また、日常使いは電気のみで賄うことができ(19インチタイヤ装着車はEVモードで約87km走行可能)、長距離移動はモーターと2LエンジンとのコンビネーションによるHVモードで、低燃費ドライブが可能となる点だ。

 

BEV走行での最大航続距離は87km(19インチタイヤ装着車)。通勤や毎日の買い物など生活のほとんどはEVモードで移動することが可能だ。

 

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まずは市街地での試乗を行ったが、EVモードでの静粛性は言わずもがな秀逸で、低速域でのペダル操作も実に素直で扱いやすい。特に驚かされたのは、正確無比なステアリングの操作性で、イチ切ったらイチ曲がる正確さは文句なしにお見事。この印象をシャシー設計担当に伝えると、ジョイントハブやシャシーの横曲げ剛性の調整により実現できたと自信をのぞかせたが、このような設計力こそエンジニアリングの凄みであり、新型プリウスの語られるべき美点であると感じた。

「AUTO EV/HVモード」スイッチは、スピード域や残電量に応じて適切な走行モードを選んでくれる。「EV/HVモード切り替えスイッチ」は、名称通りモーターのみかモーター+エンジンかの走行モードを選択する。

高速道路では、モーターによる素早い加速性能を披露しつつ、アクセルペダルが高開度領域になればHVモードに切り替わり、パワフルな走りを実現してくれた。蛇足だが、EVモードであっても十分な充電量が確保されていれば高速域に達することも可能で、エンジンが作動するしきい値は135km/hと高く設定されている。このような点からも、スポーティな仕様であることがうかがい知れるだろう。

PHEVモデルのラゲッジ床下はEVモデルよりも若干底上げされたものの、ラゲッジ容量は、スペアタイヤを積載したEVモデルと同値となる。よってPHEV用バッテリーによるラゲッジ容量への影響はほとんどないと言える。

かつてはエコカーを代表する存在であったが、スポーティ路線で生まれ変わった新型プリウス。そのPHEVは、国内における電動化の現実解であり、プリウスファミリーの本命と目される存在と言えるだろう。

【Specification】トヨタ・プリウス Z プラグインハイブリッド
■車両本体価格(税込)= 4,600,000円(税込)
■全長/全幅/全高=4600/1780/1430mm
■ホイールベース=2750mm
■トレッド(前/後)=1560/1570mm
■車両重量=1570kg
■エンジン形式/種類=M20A-FXS/直4DOHC16V
■内径/行径=80.5×97.6mm
■総排気量=1986cc
■最高出力=151ps(111kW)/6000rpm
■最大トルク=188Nm(19.2kg-m)/4400-5200rpm
■モーター形式/種類=IVM/交流同期電動機
■モーター最高出力=163ps(120kW)
■モーター最大トルク=208Nm(21.2kg-m)
■燃料タンク容量=40L(レギュラー)       
■燃費(WLTC)=26.0km/L
■トランスミッショッン形式=CVT
■サスペンション形式=前:マクファーソンストラット/コイル、後:Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク/後:ディスク
■タイヤ(ホイール)=前:195/50R19(6.5J)、後:195/50R19(6.5J)
■公式ページ https://toyota.jp/prius/

フォト:篠原晃一 K.Shinohara

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