2020年はボルボの電動化戦略が大きく動き出す。これで日本ではPHVやマイルドハイブリッドを搭載したモデルが40、60、90グレード全てにラインナップされることとなる。今回はXC40のPHV仕様を試乗し、その一報をお届けする。
質の良さを第一に考えたボルボの新しいPHV
ボルボのPHVは、最上位グレードのT8にのみ存在していたが、XC40に新しく導入されるPHVは、呼称を「リチャージ・プラグイン・ハイブリッド」に改め、T5グレードにラインナップされた。
CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)を採用するXC40は、PHV、マイルドハイブリッド、BEVの対応車種となる。
ボルボの電動化戦略は、PHVと48V電源を採用したマイルドハイブリッドの両軸で進みながら、その先にEVを見据えた独プレミアムと近しい戦略ではあるものの、より潔く明確に舵を切ってきている。その中でもXC40は、ボルボBEV第一弾「XC40P8」の受注が欧州でスタートしていることもあり、電動化のキーとなるモデルとも言える。
3気筒1.5Lターボエンジンとモーターの合計出力は 262ps(参考値)。満充電時からEVのみでの走行距離は約41km。モーターアシストによる俊敏なレスポンスやスムーズな加速が質の良い走りを提供。
今回試乗したXC40リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT5インスクリプションは、1.5L 3気筒ターボに自社開発の最新トランスミッション、7速DCTが組み合わされたことがトピック。急なアクセル操作をしななければモーターのみで発進加速を行え、DCTのギクシャク感とは無縁。低速域で意地悪なほど神経を張り巡らせれば、3気筒エンジン特有の振動をステアリングから微細に感じ取れるが、速度域が上がればそれもすぐに消え失せた。
試乗は主にデフォルトの「ハイブリッドモード」で行ったが、パワーユニットに負担がかかるシチュエーションほどPHVの恩恵を得られ、滑らかで静粛性を第一に考えてセッティングされたモデルという印象を受けた。ボルボらしさに磨きをかけたとも言える。
インテリアのしつらえは、他のモデルと大きく変わらないが、PHV化に伴いダストボックスの非装備、パーセルシェルフのラゲッジ下収納の非装着、コンソールボックスの収納スペースの減少など、対応がとられている。
2021年、XC40は従来のT4、T5に代えて、マイルドハイブリッドのB4(409万~)、B5(589万)も導入される。それらのモデルと比較してから、購入を検討するのも良いだろう。