ダカール・ラリーのコースにも挑戦
8月23日、トヨタは2014年、2015年に続き、第3弾となる「5大陸走破プロジェクト」を南米で開始したことを発表した。日本と現地事業体の従業員約110名が協力しながら、約3カ月半に渡って南米大陸の多様で厳しい道を走破するこのプロジェクトは、従業員自らがステアリングを握り、走行するという現地現物の経験を通じ、“もっといいクルマづくり”を担う人材の育成を目的としている。
2014年の第1弾はオーストラリアで行なわれ、従業員80名が、世界のさまざまな道が凝縮されているといわれる現地の砂漠や悪路が続く過酷な道を約2万km走破。テストコースでは得ることのできないクルマ作りの数々のヒントを得た。そして続く2015年は北米で第2弾を実施。夏期と冬期に分けて行なうことで、デスバレーなどの酷暑地からアラスカやカナダの寒冷地まで、厳しい環境下でクルマに求められる性能や水準を学んだという。
第3弾となる今回の南米大陸走破では3チームに分かれ、計7カ国で約2万kmを走破する予定。いくつもの国境を越え、多様な文化や風土を肌で感じながら、熱帯の泥濘路や標高4000m以上の高地山岳路を走るほか、強い横風を受けながらの高速走行などを実施する。また、世界一過酷なモータースポーツといわれるダカール・ラリーのコースにもなっている砂丘やワジ(涸れ川)も走行し、厳しい環境を走る抜く中で“もっといいクルマづくり”の感性を磨いていくとのことだ。
参加車両には、悪路での走破性や信頼性では世界一との呼び声の高いランドクルーザーだけでなく、プリウスなどのいわゆる“乗用車”も含まれている模様。この経験が次の世代のトヨタ車に活かされ、“もっといいクルマづくり”にしっかりと反映されることを期待したい。