可変エアロが大胆な空力処理を可能に
今回は実車の画像ではなく低解像度のCGなのだが、ソースによれば、これがどうやらフェラーリのパテント申請絡みの画像だということなので、このカタチが将来のフェラーリに採用される可能性あり、とみて紹介することにした。近年SP(スペシャルプログラム)に熱心なフェラーリなので、ワンオフモデルとしてこのデザインに基づくクルマが登場する可能性も高いとされている。最近では「F12tdf」がベースの「SP275 RWコンペティツィオーネ」や、「488スパイダー」ベースの「J50」が登場している。
ご覧のようにひと目でベースはラ・フェラーリだとわかるが、ボディは全面的に変更され、空力的にはラ・フェラーリよりもさらに斬新な形状とされている。いまスーパーカー業界は活況でシェア競争も激しい。そのためラディカルな空力の追及に余念がなく、このところ各社とも高ダウンフォースを狙った意欲作の発表が続いている。
このCGに見られる空力処理は非常にユニークだ。特にボンネット上面からフロントホイールアーチ後方へと気流を流す手法は、フロントディフューザーからの抜けを増強する効果が高そう。ラ・フェラーリの顔立ちを決めている「Tシェイプ」のフロントウイングも姿を変え、このCGではさらに大量の気流を処理するカタチとなり、フロントのダウンフォース強化を狙っているように見える。
側面の処理、リアフェンダー前方からキャノピー後方に向けて気流を流す形状はラ・フェラーリの流れを汲むものだが、こちらもさらにボリュームを増している。その理由はリアディフューザーがより効果的な形状とされていることから、さらなるダウンフォース強化だと想像できる。こういう大胆なエアロデザインが可能なのは、やはりもとのラ・フェラーリで採用された電子制御式の可変フラップ機能があるおかげ。フロントウイング、底面フラップ、リアスポイラーの3点を電子制御で可変することができるからこそ、走行条件に合わせたラディカルな高ダウンフォースが狙えるわけだ。