日産のスポーツセダン「スカイライン」が、2017年で生誕60周年を迎えた。初代スカイラインは1957年4月24日、「長い道のりを気持ちよく走る、グランドツーリングの歓びを高次元で体験できるクルマ」を目指して誕生。以来、その価値は、それぞれの時代の最先端技術を搭載して常に新しい世代へと受け継がれてきた。
そこで当サイトでは、5回に分けて歴代スカイラインを写真を中心に振り返ってみたい。その第1回となる今回は、1950~60年代に発売が開始された初代~第3代についてまとめてみた。
パワフルなエンジンにスポーツカーの足回り
初代 プリンス・スカイライン 1500デラックス(ALSI)1957年~
初代モデルは1957年に登場。クラス最高出力となる60psの直列4気筒1500ccエンジンを搭載。125km/hの最高速度を誇る高性能のみならず、足回りには当時スポーツカーを中心に採用されていた「ド・ディオン・アクスル」を標準装備する最先端のクルマだった。乗用車を所有すること自体が人々の夢であった当時。スポーツカーのみが持っていた「運転する喜び」を享受できるセダンというスカイラインは、瞬く間にクルマ好きの心を捉えた。
2代目 プリンス・スカイライン 1500デラックス(S50型)1963年~
「羊の皮を着た狼」と呼ばれ、スカイライン人気を決定的にした2代目は1963年にリリースされた。翌1964年、第2回日本グランプリに出場したスカイラインGTが、プロトタイプ・スポーツカーのポルシェ904GTSを抜き去ったシーンは、日本モータースポーツの歴史に偉業として刻まれている。その活躍が呼び水となり、翌1965年2月に「スカイライン2000GT」が市販化された。
3代目 ニッサン・スカイライン 2000GT(C10型)1968年~
各モデルにキャッチーなコピーが付されたのも、キャラクターが立ったスカイラインならでは。3代目は「愛のスカイライン」と呼ばれ、TVCMでは若いカップルが旅に出るストーリーを描き、「パートナーとドライブを楽しむクルマ」というイメージを定着させた。郊外へ向かう高速道路では、楽しげなカップルを乗せて走るスカイラインに多くの視線が注がれた。ボクシーになったスタイリングに合わせて、「ハコスカ」の愛称も誕生した。