旅&ドライブ

旅心をかき立てる道。絶景ドライブ100選「国道361号・飛騨街道/御岳スカイライン(長野県/岐阜県)」

国道361号・飛騨街道(No.047)
霊峰・御嶽の山ふところへと飛び込んでゆく。

御嶽は長野/岐阜県境にそびえる大きな山塊の総称で、最高峰は標高3067mの剣ヶ峰。富士山同様、古くから信仰登山の盛んな山で、もちろん『日本百名山』のひとつでもある。民謡『木曽節』にも歌われていることから、誰でも名前だけは知っているようだが、ただし、実際に御嶽を眺めたことのある人というのは意外と少ないのではないだろうか。

 

地蔵峠を抜ける旧道は、乗用車同士だとすれ違いがやっとという狭く曲がりくねった山道。見通しも良くないので、慎重な運転を。

中央高速の走る伊那谷からは、中央アルプスにさえぎられて御嶽を見ることはできない。国道19号が抜けていく木曽谷も、渓谷が深く狭いため、手前の山々に邪魔されて御嶽はなかなか姿を見せてくれない。

そんな御嶽の姿を間近に仰ぎ見ながら走れるのが国道361号・木曽街道(飛騨・木曽街道ともいう)である。

 

新地蔵トンネルをくぐる新道は、整備の行き届いた2車線路。気持ちいい走りを堪能できる。

木曽福島から西に向かって国道361号を走り出すと、新地蔵トンネルをくぐり、開田高原に出たあたりから御嶽が姿を現しはじめる。お勧めの展望スポットは木曽馬の里から5kmほど先の九蔵峠展望台。しかし、もっと感動的に御嶽と出会いたいなら、快適な新地蔵トンネルではなく、旧道の地蔵峠を越えるルートをお勧めしたい。

地蔵峠から撮った御嶽の姿は端正で美しく、しかも威厳さえたたえている。地元でも、ここからの眺めが好きで、天気の良い日にはわざわざ遠回りして旧道を行く人が多いと聞いた。

 

お地蔵さんの立つ峠を越えて少し下ると、左手の木立が途切れ、霊峰がその姿をいきなり現す。

 

御岳スカイライン(No.048)
目の前には御嶽山頂、振り返れば中央アルプスの絶景。

原開田高原の南に位置する王滝村から、おんたけスキー場のゲレンデを抜け、御嶽七合目まで標高差1200mあまりを一気に駆け上るワインディングロード。かつては有料道路だったが、現在は王滝村道として無料開放されている。終点、田の原山荘駐車場の標高は2150mもあり、霊峰・御嶽の山頂が目と鼻の先に見える。また、スキー場のゲレンデ周辺からは中央アルプスの山なみも一望。どこにも通り抜けのできないピストン道ながら、すばらしい眺めを満喫することができる。

 

牧尾ダムによって堰き止められた御岳湖。その湖畔を抜けて王滝村へと道は延びていく。

◎正式名称/王滝村道
◎区間距離/20km(大滝村-田の原山荘)
◎冬季閉鎖/1月下旬-4月下旬
◎撮影時期/6月上旬

スキー場の中を抜けていく道は爽快そのもの。ゲレンデにシュプールを描くような気分で走れる。

 

ご当地情報

 

A:木曽馬の里
気軽に乗馬体験のできる木曽馬の飼育牧場

古くは合戦場を駆け抜ける軍用馬、その後の平和な時代には農耕馬や荷馬として山村の暮らしを支えてきたのが木曽馬。一時は絶滅の危機にも瀕していた日本の在来馬を保護・育成しているのが開田高原にある木曽馬の里である。ここでは乗馬体験(引き馬500 円から)ができるほか、そば打ち体験(要予約)のできる食事処も併設。
●正式名称:見学無料/8:30-16:30/定休なし/Tel:0264-42-3085

 

B:田の原駐車場
登山客でも賑わう御岳スカイラインの終点

絶景のワインディング、御岳スカイラインを終点まで登り詰めたところにある駐車場。旅館・田の原山荘のほか、観光センターもあり、簡単な食事や喫茶も楽しめるようになっている。御嶽登山(参拝)の玄関口になっていて、駐車場から平坦な参道を600mほど歩くと御嶽神社遥拝所があり、山頂まで行かずに参拝を済ますこともできる。
●王滝村田の原/Tel:0264-48-2537(田の原観光センター)

 

C:日野百草本舗 王滝店
200年の長い歴史をもつ御嶽印の胃腸薬

御嶽をシンボルマークに200年以上前から販売されている日野百草丸は、自然の生薬を主成分とする胃腸薬。御嶽を訪れる修験者たちによって全国に広められたといわれる。ここでは日野百草本舗の商品を購入できるほか、食事処・百草庵があり、薬膳を取り入れた日本料理や信州そばなどのほか、木曽名物“ほおば巻”なども味わえる。
●8:00-17:00 /木曜定休(7-8月は無休)/王滝村211-6/Tel:0264-46-3132

 

D:大目旅館
鍋で味わう!? 開田ならではの霧下そば

昼と夜の寒暖差が大きい開田高原は、いわゆる“霧下そば”の一大産地。その特徴は香り高く、独特のコシがあること。そんな開田の地粉だけを使った旨いそばを味わえるのが大目旅館。普通のざるそばも美味しいが、小さなザルですくい、鍋の汁で温めていただく開田ならではの“とうじそば(写真は大盛り1,650円)”がお薦めだ。
●11:00-16:00 /不定休/木曽町開田高原末川2812/Tel:0264-42-3406

 

ご当地情報

 

E:九蔵峠展望台
真正面に御嶽、眼下に開田高原を一望

開田高原・木曽馬の里入口から飛騨高山方面に5kmほど走ったところにあるのが九蔵峠。ここには国道から少し下ったところに展望台があり、西野川沿いに広がる開田の集落を眼下にしながら、御嶽の姿を真正面に望むことができる。信州サンセットポイント百選にも選定されていて、夕日をバックに浮かび上がる御嶽の姿も拝める。
●木曽町開田高原西野/Tel:0264-42-3350(開田高原観光案内所)

 

F:くるまや本店
もちもちした食感が特徴、木曽路で人気のそば店

勢の客で賑わっている人気店。太めで、やや色の濃い麺はほんのり甘く、つるつると滑らかな喉ごし、もちもちとした食感が特徴。赤かぶの葉を乳酸菌で発酵させた、木曽の漬け物・すんきがたっぷり乗った“すんき蕎麦”もお勧め。ただし、こちらは11月下旬頃からの期間限定なので、事前にご確認を。
●10:30-16:00(売り切れ次第終了)/水曜定休/木曽町福島5367-2/Tel:0264-22-2200

 

G:二本木の湯
全身泡まみれになる国内有数の炭酸泉

飛騨街道を行き来する旅人や御嶽修験者にも親しまれてきた温泉。茶褐色の湯は炭酸含有量が国内でも一、二を争うほど豊富で、浸かっているだけで全身泡まみれになってしまう。試しに飲泉してみると塩っぱいサイダーのような味がする。新地蔵トンネルの手前で左に折れ、地蔵峠へ続く旧道を2kmど上ったところにある。
●日帰り入浴料620円/10:00-19:00/木曜定休/木曽町新開6013-1/Tel:0264-27-6150

 

国道361号・飛騨街道(No.047)

◎正式名称/国道361号 ◎区間距離
◎区間距離/75km(木曽町-高山市)
◎冬季閉鎖/12月上旬-4月上旬(地蔵峠、美女峠)
◎撮影時期/6月上旬

アクセスガイド
首都圏から地蔵峠をめざす時は、中央道を伊那ICで降り、中央アルプスをトンネルでくぐり抜ける国道361号・権兵衛トンネル経由がお勧め。都内から伊那ICまでは200kmあまり、そこから地蔵峠までは約40kmだ。名古屋方面からは中央道を中津川ICで降り、あとは国道19号を走る。名古屋市内から約160km。中央道を降りた後も、国道19号は比較的スムーズに流れる。

観光情報
木曽町観光協会 Tel:0264-22-4000
王滝観光案内所 Tel:0264-48-2257
高山市観光課 Tel:0577-32-3333

 

文:佐々木 節/写真:平島 格

※料金・営業時間・問合せ先などは平成27年9月時点のものですので、お出かけの際には最新情報をご確認ください。また特に表示のないものは消費税8%税込み料金で、宿泊料は原則2名1室利用時の1名分の料金です。

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