なぜ今、イタリア?
皆さん、チャオー! LE VOLANT本誌で“月刊イタフラ”を連載している嶋田智之(しまだともゆき)でございまする。あたくし、ただいまイタリアのトリノから1時間半ぐらい走ったところにあるカステッロット・ディ・ブランドゥッツォという村にあるサーキットに来ております。
いやいやいやいや、自分で走るわけじゃござんせん。そもそもこんな暑いのにそんなの無理だし。本日はプロの傍観者としてこの地にやってきたのです。
何の? そうそう、ちゃんと説明しないといけないですね。
昨年のヨーロッパ・ラリー選手権「ローマ・ラリー」で、「ムゼオ・チンクエチェント・レーシング・チーム(mCrt)」の「眞貝知志選手」がアバルト500R3Tを駆って、参戦2回目にして見事クラス優勝を果たしたのでした。眞貝選手は全日本ラリー選手権のチャンピオン経験者であり、2014年からはmCrtのドライバーとしてラリーに参戦、2015年の全日本選手権ではアバルト500でターマック戦のみの参戦ながら最後までチャンピオン争いを繰り広げたことで、ラリーファンの間で話題になったのみならず、クルマ好き達の間にラリーの面白さを大きく広げる役割を果たしたのでした。
で、ヨーロッパ戦に勝っちゃったなら、「次は世界しかないっしょ!」……というほど簡単なもんでもないのだけど、やはり見つめる先にあるのは世界ラリー選手権ことWRC。実は昨年のローマ・ラリーのときにも小手調べ的な軽いテストをしているのですが、今回は真剣にWRC参戦を睨んで、「アバルト124ラリー」のテストにやって来たのです。僕は昨年と一昨年の眞貝選手のローマ・ラリー参戦を現場で取材してきていて、その縁もあって今回のテストも観に来た、というわけなのです。何も“生ハム&メロン”を食べに来たわけじゃないのです。
クルマを提供してくれたのは、WRCなどのR-GT クラスでもアバルト124ラリーを走らせている、イタリアの「ベルニーニ」。朝の9時にサーキットに到着すると、mCrt仕様とするためのステッカー貼りをコーディネーター役をつとめてくれているイタリアのプロドライバー、「マニュエル・ヴィラ」さんに手伝ってもらって完了させ、次にはシート合わせ。そして第1回目の走行に備えます。
というわけで、まぁテストなんで特別なレポートにはならないとは思いますが、何回かに分けで現場の模様をお届けしたいと思います。