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JNCAPが前期試験結果を公表、新たな安全指針を示す

対歩行者被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い抑制装置なども評価

自動車アセスメント(JNCAP)の2018年度前期試験の結果が公表された。試験が開始された1995年から主に衝突安全性能の試験結果と評価を公表してきたJNCAPだが、2014年度からは「予防安全性能評価」として被害軽減ブレーキなど先進安全機能の評価も実施。進化の早い先進安全機能は、運転支援も含めて多岐に及んでおり、その評価要素も増える一方だが、JNCAPはそれに対応して一般ユーザーにも分かりやすく点数(ポイント)によって評価結果を示している。
試験車両の購入などコストのかかる衝突安全性能の試験と、予防安全性能の試験の両方をこなすのは簡単ではないと思われるが、日本で販売されている車種を同じ評価基準で比べているのはJNCAPだけ。また、予防安全に関しては各メーカーが独自の安全システムを採用しており、その名称もさまざまなだけに、同じ条件のもと横並びで比べられるJNCAPの存在は大きい。

今回、2018年度前期は衝突安全評価が4車種、予防安全評価は11車種を試験評価。衝突試験が4車種というのは少ない気もするが、2017年度も前期は4車種で後期に台数を増やして最終的には14車種が試験されているので、今後に期待したいところだ。その衝突試験の結果は別表の通りだが、4車ともに最高評価の5つ星でファイブスター賞を獲得。なお、2018年度からは各項目の評価点が変わり、従来は208点満点だったのを100点満点へと変更。2017年度までの総合点数と直接比べられないのが残念だが、100点満点のほうが分かりやすいのは確かだろう。

最高評価の三菱エクリプスクロスは歩行者保護性能が高く、スズキ・クロスビーとほぼ同等ながらボンネットの衝撃吸収効果の高さが評価されている。また、後席のシートベルトリマインダー表示が備えられていたのはエクリプスクロスのみで、それも高得点につながっている。

一方の予防安全評価も評価要素が変更となっている、まず衝突安全評価と同じく総合得点が126点満点から79点満点へと変わり、評価項目も対歩行者の被害軽減ブレーキに「夜間街灯あり」が加わり、オートハイビーム機能などを評価する「高機能前照灯」、ペダルの踏み間違いに対応した「踏み間違い加速抑制」も追加。「夜間街灯あり」は未対応車に関しては評価せず、高機能前照灯も未装備車は評価が下がってしまうが、こうした先進安全装備の標準装備をうながすという意味でも評価要素として取り入れていくのは歓迎できる。また、ペダル踏み間違いに関してはAT車のみが対象となる。

予防安全評価の結果は別表のとおりで、対車両の被害軽減ブレーキは10車種が満点となり、対歩行者ではトヨタ・カローラスポーツが夜間も含めて満点、ホンダN-VANは商用車ながら夜間は満点の高い評価を得ている。スバル・フォレスターもカローラとわずか0・1点差の高評価を得ており、高機能前照灯と踏み間違いではカローラを上回っている。
予防安全性能に関しては新たに加わった被害軽減ブレーキの夜間対応によって評価点数が大きく分かれてしまったが、これを機に多くのクルマが夜間対応を図ってくることは間違いないだろう。後期試験では各メーカーがどこまで対応してくるのか、期待したい。

ル・ボラン 2019年2月号より転載
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