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少年期に憧れていたクルマたちが!「オートモービルカウンシル」私的見聞録

世界中から35年も愛されているロードスター

貴重なプロトタイプのご開帳にファンはやや興奮。これを始め展示車すべて特別なクルマで、子細に見る人、様々なアングルから写真を撮る人が常にクルマを取り囲んでいる状態。

マツダブースのトピック、30周年記念モデルの日本プレミア。構造を工夫して奥目にされたLEDヘッドランプは仏様の目をイメージしているという。どのアングルからでもこちらを見ているような感じ!?

マツダのブースではトークショーも、恐らくロードスターオーナーあるいは熱狂的なファンと思われる人たちでいっぱいでした。

ロードスターの歴代キーパーソンが登壇したデザインの歴史がテーマのトークショーでは、ロードスター誕生秘話、FRファミリアをベースにイギリスのエンジニアリング会社に発注してプロトタイプを製作したこと、アメリカに持ち込んでテスト走行をしたときの現地での食いつきぶりに成功を確信したこと、フォード資本時代の苦労話などなどファンにはたまらないエピソードの数々を聞くことができました。

聞いたのは最後のトークショーだったのですが、これ以前のトークショーもあふれるエピソードのため時間をオーバーしても足りず、続きは次回でというようなこともあったそうです。

私が聴いていてほほうと思ったのは、

「4代目である現行ロードスターのデザインは、磨き上げたライトウェイトスポーツのメカの上にふわりと布をかけたようなデザインです」

というところです。正直、歴代ロードスターの中でも現行のデザインは最も好みに合わず、なんでこんなのにしたかなと思っていたのですが、この話を聴いたあとで改めて見ると、機能美というのでしょうか、いいデザインに見えてしまうから不思議です。

このようなイベントの度にいまだに現場にいらっしゃる歴代主査やデザイナーの存在、4世代にわたり変わらないコンセプトが世界中で支持されて各国での受賞につながり、オーナーズイベントが開催されるなど、世界で愛され続ける日本車としていられるのでしょう。こういうのをブランドと言うのですね。間違いなくにっぽん代表です。

右から、元マツダデザイン本部長・福田成徳氏、初代、2代目、3代目開発主査・貴島孝雄氏、4代目開発主査兼チーフデザイナー・中山雅氏、3日間通しでファシリテーターを務めたデザインスタイル統括部の田中秀昭氏。トークショーのダイジェスト版がGW前にはYouTubeにアップされるらしいので、興味のある方はそちらもチェックしてください。

ヤナセが輸入するドイツ工業製品の玄関だった時代のゴルフがあった

この世代の良質中古が集まることで有名なスピニングガレージからは、1990年製フォルクスワーゲン・ゴルフCLi。なんと走行1.2万kmだそう。新車時の価格247万2000円とほぼ同じの248万円。これが高いか安いか?この年式の中古車とみればとんでもない価格だが、今では味わえない当時の圧倒的なドイツ感を味わうということなら安いと言える。

Auto Romanとの再会に感動!

展示を見て歩いていて一番「あっ!」と思ったのはこれです。Auto Romanのロゴ。昭和のスーパーカーブームのときには各地で頻繁に開催されていたスーパーカーショーですが、たいていのスーパーカーにはこのロゴが掲示されていたので記憶にある方も多いと思います。筆者も初めて撮ったカウンタックにありました。

スーパーカー少年時代の記憶と共にあるロゴに感動の再会。懐かしすぎます。経営体制は変わっているようですが、そのままのロゴであることが何より嬉しかった。

その後、カーグラフィック誌のモノクロ広告ページに毎号広告が載っていました。”果てしないロマンを求める方に”という文句が印象的でした。しかも広告なのに毎号ストーリー仕立てで読み物としてもいいものだったので、楽しんで読んでいました。

最も美しいと思ったクーペ

これまでに見た中で最も美しいクーペだと思ったクルマがこれ。1966年型アルヴィス3リッター・グラバー・スーパー・クーペ。日本初上陸と言われるこのクーペは、アルヴィスの最終モデルとなったTF21の全生産台数106台中6台だけが、スイス・ベルンのコーチビルダーであるハーマン・グラバーによって架装されたとのこと。

他にも紹介したい展示がいっぱい

気になるクルマを写真でご紹介します。興味のある方は写真から辿ってみてください。

今回のテーマは80年代百花繚乱の日本車ということもあり、世代ど真ん中の筆者にはすごく楽しめました。

少年期に憧れ、大人になったら買うぞと思っていたのに、いざなんとかなりそうな歳になった今はさらにとうてい買えるはずもない価格世界に行ってしまったクルマ達を見るだけでも眼福。ショーでも博物館でもない展示が楽しい。

当時を知る人はもちろん、知らない世代のみなさんも一台一台じっくり見て友人たちとあれこれ言いながら楽しんでいたことが印象的でした。

大田中 秀一

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