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「ESF 2019」には、メルセデス・ベンツ最新の安全思想が凝縮!

自動運転に対応した新たな実験車両

5月20日、ダイムラーは将来の自動運転を視野に入れた次世代モビリティに対する同社の安全思想を採り入れた新しい実験車両「ESF 2019」を発表。6月にオランダで開催されるイベントや9月のフランクフルト・モーターショーで披露する予定だ。ESFとはエクスペリメンタル・セーフティ・ビークルの略。

ESF 2019のベース車両はメルセデス・ベンツGLEで、自動運転が可能なプラグインハイブリッド車。未来のモビリティに向けて研究開発を進めているさまざまな革新技術を搭載しており、一部の機能は生産モデルへの搭載が近いものもある。この実験車に搭載されている機能をテーマごとにピックアップしていこう。

「オールラウンド・ドライバー・セーフティ」は、自動運転時のドライバーの安全性を高めるもの。自動運転モード中は、ステアリングホイールやアクセル&ブレーキペダルが引っ込み、万一の事故の際にドライバーへの怪我を最小限にする。シートベルトはシートバックに組み込まれた一体型となる。

「コーポレイティブ・コミュニケーション・ウィズ・ザ・エンバイロメント」は、「環境との協調的コミュニケーション」と訳せるもので、自車周囲の道路利用者への配慮が考慮されている。車両のルーフなどに搭載したセンサーは周囲の状況を検知し、自車だけでなく歩行者をはじめとする他の道路利用者に対しても警告するなどして注意を喚起する。ESF 2019に搭載されているヘッドランプはデジタルライト技術が搭載され、他者への幻惑を防止するハイビームと200万画素以上の解像度を誇る。

「チャイルドセーフティ」は、チャイルドシートによって乗車する子供の安全性をさらに高めるもので、シートベルトを装着した際の子供への負荷を軽減するとともに、子供乗員のサイドの保護機能が強化されている。

「セキュアリング・トラフィック・ハザーズ」は、「交通事故の防止」を強化するための施策で、内容としては2次災害防止が主目的となる。車両の後部からは三角表示板がロボットのように発進されるとともに、車両のルーフには三角表示版が掲げられ、自車後方への注意を促す。

「ニュー・プレセーフ」は現在メルセデス・ベンツ各車が採用している「プレセーフ」機能の発展版。ボディサイドにはエレクトロルミネッセンス塗料のサイドライトによって、潜在的な危険を未然に防ぐ。

「セーフティ・アンド・コンフォート・イン・ザ・リヤ」は、「(車両)後部の安全性と快適性」に着目したもの。後席用に新たに開発されたエアバッグに加えて、シートベルトにはフィーダーやバックルの照明、USBバックルなどが追加され、後席乗員がシートベルトを着用するように動機付けする多彩なアイデアが盛り込まれている。

「アクティブセーフティ」では、アクティブブレーキアシストに拡張機能が与えられた。周囲の歩行者の潜在的に危険な交通状況において、保護機能を追加。例えば、路側に縦列駐車している自車の前後から車道を横切って渡ろうとする歩行者に危険が迫っている場合は視界的および聴覚的に警告を発する。同時に自車の後ろに迫る車両にも警告することで、衝突を未然に防ぐ。

これらの技術は、ドイツ・ジンデルフィンゲンの開発センター内に2016年11月に開設した車両安全技術センターでテストが繰り返されている。ここは世界で最も近代的なクラッシュテストが実施できる場所だ。1970年代からクルマの安全性にとりわけ注力してきたダイムラー。社内に事故調査隊を設け、そこで調査した事故のデータを将来の安全性向上に役立ててきたことはメルセデス・ファンを中心によく知られていることだ。このたび発表されたESF 2019は、これからのクルマの安全性をさらに高めるダイムラーの思想が詰め込まれている。

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