200psなのにサスペンションが勝っている!
ラ・ノーズ浦野氏(通称アニキ)のプロフィールは、書き始めたらきりがない。知識、ドラテク、チューニング技術など、クルマのことに関してとんでもない人とだけ言っておこう。そんなアニキが登場させたJB23(デモカーというよりアニキの趣味のクルマ)も規格外だ。
ワンオフパーツだらけのエンジンルームは美しい。手が入っていない部分は皆無だ。
レイアウトを考慮しつつ、大容量化されたサージタンクが迫力だ。
K6Aにこだわりつつ、軽自動車という枠を外し自身が乗って楽しいと思える出力、特性を追い求めてチューニングを日々進化させている。フルカウンタークランクにボア、ストロークアップ。各種ワンオフ装備にTF035タービン。ブースト1.5kで199.8psという出力を叩き出す。ノーマルのジムニーが軸出力の計測で55ps前後と考えると約4倍の出力。「今回の試乗、オンロードだけでいいよ。とりあえず全開にしといで」。「はぁ? バカじゃないの? 200ps?」。
ジムニーにはありえないサイズのタービン。ラフにミートするとスタート時ホイールスピンする。
ノーマルECUでは制御しきれないので、完全オリジナルマップをVi-pecで構築。
ということで全開走行やってきました。スタートから蹴っ飛ばされるほどの加速を見せる。大きなタービンを組んでいるはずなのに、ターボラグを感じないリニアなフィーリング。フルブースト直前から吸い込まれるような伸びで、レブを聞いていたのだが、見るゆとりがない。ここで気がつく。出力は確かに凄い。しかし、コントロールを失うシチュエーションが皆無なのだ。アクセル全開で200psを路面に叩きつけている状態にも関わらず、サスペンションが勝っている。全開状態でレーンチェンジが可能なのだ。それでいて乗り心地は普段遣いできるほどいい。「クルマって、ワクワクするもんだろ! でも、命載せてるんだからキッチリ作らなきゃ。不安だらけのスリルはいらねぇんだよ」。コントロールの楽しさを再認識させられるクルマだった。
排気量アップされたエンジンに対応し、ワンオフのマフラーを製作。60φの大口径タイプだ。
オリジナルセッティングのKINGレーシングショックにオリジナルコイルで武装。200psを受け止める。
このグラフはブースト1.25kのローモード。それでも170ps越え。肝心のハイモード1.5k、199.8psのグラフを「どこいったか分かんねぇからこれでいいよ、200psなんて通過点だから」近日タービン変更してさらに出力アップの予定らしい。