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気軽に薦めたくなるコンディションのMGB【旧車ビギナーは要注意!100万円でドロ沼に陥る!?】

丁寧に仕上げられ一体感が非常に高いクルマだ

趣味車をお探しの方へ向けて気になるモデルを提案している100ドロコーナー。行きつく先はバラ色のヒストリックカーライフか、はたまた底なし沼か……。いずれにしても楽しめることは間違いなし。自己責任で大いに100ドロライフを満喫していただきたい。

日本レイランドにより輸入されたMGBは北米仕様のため、左ハンドル。デビュー当時より不評であったウレタンバンパーは、メッキコンバージョンされていて、部分加修されているがボディはオリジナルペイントが残る。

今回ご紹介するのは、当時のインポーター日本レイランドより1981年にデリバリーされたMGBだ。Mk-IIIの最後期モデルにあたりオリジナルはウレタンバンパーだが、定番のメッキコンバージョンされている。黒塗りの3連ワイパーもクロームメッキに交換するなど、細部まで丁寧に仕上げられている個体だ。

前オーナーの手により、しっかりと整備されてきた個体とあって、機関、コンディションとも申し分なし。車検は来年の4月まで残る。

運転席に腰を下ろすと、ステアリングのセンターこそややオフセットしているが、無理な姿勢を強いられず、右腕をアームレストに置くと自然とシフトレバーに手が伸びる。ヒールトゥーも繰りやすいペダルレイアウトで、こんなに自然な姿勢で運転できるクルマだったかな? と記憶を探ったほどだ。またボディサイズも適正でクルマとの一体感は非常に高い。

ハードトップが装着されているが、純正のソフトトップも残る。リアはガラス、クウォーターウインドーはアクリル製。作りがしっかりしているため、重量はかなりありそうだ。

英国製オープンはいつでも迷わず買い!

エンジンは1.8リッターのOHVユニットで、トランスミッションはO/D付きの4速M/T。エンジンルームに残る日本レイランドのプレートには昭和56年デリバリーとあった。

セルを捻ると1発でエンジンは目覚め、アイドリングも安定していた。スロットルペダルを煽る必要はなくクラッチを繋ぐと、すっとタイヤは転がり始める。ステアリングから伝わる路面の情報は正確で、当然ながら勝手に進路が右や左へ逸れていくこともない。1.8LのOHVユニットは淀みなく回り、ワインディングに連れ出してもっと回してみたい欲望にかられたが、それは次のオーナーに与えられた特権だ。

ラゲッジスペースは広く取られているため、フルサイズのスペアタイヤを積んでいても余裕がある。写真ではオリジナルのロスタイル・ホイールを履いているが、ワイヤーホイールに交換予定とのこと。

ヒストリックカーのマイルストーンともいえるMGB。旧車を語る上で自身の基準車として迎えることも、パーツを取り寄せて整備を覚えることも、もちろんイベントに参加して楽しむことも出来る。ヒストリックカーのエバーグリーン、自信を持ってお勧めできが、惜しむらくは100ドロ特別版のトップを飾るには王道過ぎてひねりがないことだ。

1980 MGB

車両本体価格:1,350,000円

【編集長の傍からヒト言】
このMGBは、よいね。だいたいイマドキ100万円とちょっとで、由緒正しい英国製オープン2シーター・スポーツが手に入れられるなんて、夢の様な話じゃないですか。白いボディに黒いハードトップも素敵。この際左ハンドルであることは気にしない。維持だって問題ないよ、迷わずGO!

【問い合わせ】

ナカオワークス 080-5652-6600

Text:中本健二/Kenji NAKAMOTO Photo:佐藤亮太/Ryota SATO カー・マガジン473号(2017年11月号)より転載

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