フィアット

整備済みの嬉しいタイミングなフィアット・ウーノ・ターボi.e.【旧車ビギナーは要注意!100万円でドロ沼に陥る!?】

“逃した魚”が再び販売されてるのを発見!

後期型のため前期型のようなリアスポイラー一体型ではなくリアゲートはプレーンなデザインとなる。ブッシュやホースなど消耗品の交換、また足まわりやエンジンも整備済み。11万km以上を走っているが、ターボの過給もしっかりと係り走る楽しさは損なわれていない。

このフィアット・ウーノ・ターボi.e.は、以前ガッティーナで販売されているのを見つけ、取材をしようと問い合わせたのだが、タッチの差で販売済みとなってしまった、”逃した魚”だった。それが再び販売されているのを見つけて取材と相成ったわけだ。

前期モデルよりも排気量がアップし、1372ccとなった4気筒SOHCターボ・エンジンは116HPを発揮する。高回転を維持して3ペダルで扱うのも楽しいが、街中を流すようなシチュエーションでも扱いにくさを感じることはなかった。フィアット初のガソリン・ターボ車ということを覚えておくといつか蘊蓄披露できるかも。

話を聞くと前オーナーは飽きたわけではなく、仕事の関係で泣く泣く手放したのだとか。ガッティーナの酒井さんによると「乗る気満々で1年かけてしっかり整備したんだけどね」と話されていた。その整備記録は同社のHPで確認できるが、ブッシュやホースなど消耗品はほぼ全てというほど交換されている。前オーナーには申し訳ないが、今が絶好のチャンス!と言える。逃した魚は大きかったかも……、と後悔していたが大きく成長して帰ってきてくれた。なおパーツは国内で探すのは難しいが、イタリア本国から取り寄せることが可能とのこと。乗って楽しみたいクルマだけにこれは嬉しいポイントだ。

ドライバー前方にはスピードやレブカウンターなど6連メーターが備わる。ホットモデルらしくステアリングには赤の差し色が入る。紫外線を受けて傷みやすいダッシュボードだがヒビ割れなどは見られなった。エアコンは利くがアイドリングが下がってしまうため調整が必要のようだ。

1990年代なんてもはや新車! 全く心配なし

取材車は1991年式の後期モデルで、デザインはフェイズIを愛好する方が多いが、排気量が1372ccへとスープアップし出力も116HPへ向上している点は後期型の魅力。リミッターが利く国産大排気量ターボをウーノ・ターボでちぎったという武勇伝も頷けるホットハッチだ。小排気量のクルマを、3ペダルで扱う楽しさはイタリア車の真骨頂といったところ。そして速さ一辺倒ではなく、パンダと同じように車内空間が広く実用性の高さも見逃せない。つい回したくなる刺激的なホットハッチとなら、100ドロの沼へ陥ってみるのも悪くない。

シートはセンター部分がチェック柄で、サイドサポートはグレーの組み合わせ。内装のコンディションは良好だ。後席もアクセスしやすく、パンダに比べるとボディが大きい分、居住性はやはり高い。

 

1991 FIAT UNO TURBO i.e.

車両本体価格:1,000,000円

【編集長の傍からヒト言】

え? ウ−ノ・ターボi.e.? ふ〜ん、1991年式なんだ。最近のクルマじゃん。そう言えば大昔、編集部にもいたよ。そいつは新車だった。あ、それは30年前だからか。でも、要するにその頃の新車でしょ。しかもパッと見は奇麗そうだし、整備済みということであれば、問題ないよ。迷わずGO!

【問い合わせ】

ガッティーナ 0466-33-1122

Text:中本健二/Kenji NAKAMOTO Photo:前田恵介/Keisuke MAEDA カー・マガジン473号(2017年11月号)より転載

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