ベントレー

今年はベントレーが熱かった!「モントレー・カーウィーク & ペブルビーチ・コンクールデレガンス 2019」

毎年8月に開催されるクラシックカー・コンクールの世界最高峰と称されるペブルビーチ・コンクール・デレガンス。今年は記念すべき創業100周年を迎えたベントレーをはじめ、数多くの高級ブランドが新旧の名車による饗宴を展開した。

新型コンセプトカーを発表する新たな聖地

毎年8月、北米カリフォルニア州モントレー半島を舞台に展開される「モントレー・カーウィーク」。なかでも「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」は、クラシックカーの美しさやコンディション、あるいはヒストリーを競うクラシックカーイベント「コンクール・デレガンス」の世界最高峰として知られる。

ベントレーはペブルビーチのクラブハウスに特設ブースを仕立て、北米初公開となる新型フライングスパーをはじめ、最新モデルが一堂に会する演出を見せた。

特に今年は、創業100周年を迎えたベントレーが主役として迎えられ、コンクールに正式エントリーしたクラシックカーの4分の1に当たる、約50台がベントレーの歴代モデル。そして最優秀賞に当たる「ベスト・オブ・ショー」に輝いたのも、老舗コーチビルダー「ガーニー・ナッティング」社が素晴らしいスポーツツアラーボディを架装した1931年型ベントレー8リッターであった。
しかしその一方で、近年では世界各国のプレミアムカーブランドが、コンセプトカーや新型車のワールドないしは北米プレミアの場としても活用していることを、ご存知の向きも多いだろう。

メルセデス・ベンツ/AMGは巨大な仮設ショールームを建て、その歴史を彩ってきた文化財級のクラシックモデルと新型車を同時展示。

今回の「モントレー・カーウィーク」を、100周年を祝賀する最重要行事のひとつとして捉えているベントレーは、その一カ月前に英国クルー本社で公開したばかりのコンセプト「EXP100GT」をペブルビーチとその前日に近隣で開催される、もうひとつのコンクール・デレガンス「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」で北米初お披露目したほか、ブガッティも新ビスポーク限定車「チェントディエチ」と「ラ・ヴォワチュール・ノアール」をクエイルとペブルビーチで公開。

インフィニティ北米法人は、自社ブースの周辺で国産クラシックカー・ショーを開催。ブランドを問わず、数十台が展示されていた。

またロータスは、新たなEVハイパーカーコンセプト「エヴァイヤ」。BMWは「ヴィジョンMネクスト」、フォルクスワーゲンは「ID.バギー」の北米プレミア公開の場としてペブルビーチを選択。今年もこの美しいロケーションで、満場のギャラリーを大いに沸かせることになった。
そして、今回のペブルビーチでもうひとつ目を惹いたのは、プレミアムブランドの設けた大規模ブース。例えばメルセデス・ベンツ/メルセデスAMGなどは、全面ガラス張りの巨大な仮設ショールームを建設し、自社の歴史を飾ってきた珠玉のクラシックモデルと最新モデルたちとともに展示。その130年以上にも及ぶ、輝かしい歴史をアピールしていた。

今年のコンクール・デレガンスでは「ランボルギーニ・ミウラ」クラスが設定。ジャン・トッドFIA会長のP400SVがクラス第一位。

その傍ら、新型コンセプトカーのワールドプレミアを含む大規模な出展を行なった唯一の日本ブランド「インフィニティ」の北米法人のアプローチは、非常にユニークなものだった。自らのブース周辺に、数十台に及ぶ日本製クラシックモデルを展示。あたかも臨時ミュージアムのごとき展示イベント会場とすることで、日本でも長らく自動車文化が育まれてきたことをアピールしたのだ。
特に欧州やアメリカ、日本などの成熟市場においては、旧来の屋内展示型モーターショーが歴史的役割を終えつつあるとも言われている昨今。その代替えとして、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスに代表される「モントレー・カーウィーク」は、英国の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」などと並んで、ニューモデルやコンセプトを示す新たな場としてのプレゼンスをますます高めているという。
今回の訪問では、それがまぎれもない事実であることを、まざまざと見せつけられたのである。

モントレー・カーウィークを象徴するサーキットイベント「ロレックス・モータースポーツ・リユニオン」では、新旧ベントレー約30台がラグナ・セカを走るパレードも挙行。

フォト:武田公実(H.Takeda)

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