旅&ドライブ

水鏡のように輝く棚田が山里にたなびく雲や空を映し出す(新潟県 星峠)【雲海ドライブ&スポット Route 45】

名無し峠を一躍有名にした大河ドラマのオープニング

新潟県の中南部、かつての松代町(現・十日町市)と大島村(現・上越市)の境に「峠」という名前の小さな集落がある。国道403号が抜けていく短いトンネルの上に、狭い旧道に沿って30戸ほどの農家が点在する様子は、まさに「峠の集落」そのもの。この山道を登り切ったあたりが星峠と呼ばれるようになったのは、実はつい最近のことである。

国道403号の旧道沿いにある「峠」集落。ふだんはクルマなど滅多に通らない道なので、通り抜けの際には気を遣っていただきたい。

そもそも隣の集落へ行くのにも山道を越えていかなければならない土地柄だけに、松代周辺だけでも峠の地名は10カ所近くあった。それが平成の大合併で市域が拡大したため、十日市市内には数え切れないほど多くの峠が点在するようになってしまったのだ。
よその峠には名前があるのに、ここだけ「ただの峠」じゃまずいだろうという話になり、集落の人たちが相談した結果、「星峠」と名付けられた。真っ暗な峠道からは星空がとても美しいからだ。

1年を通じて雲海の発生しやすい星峠の棚田。しかし、一番の見頃はやはり5〜6月。代掻きから田植え直後の時期がお勧めだ。

そんな星峠の名を一躍有名にしたのは、大河ドラマ『天地人』のオープニングにも使われた美しい棚田の存在だ。そこに雲がたなびくと、まさに日本の原風景とでも言うべき、すばらしい眺めになる。

アクセスガイド

東京方面から星峠をめざす時は、関越道・六日町ICからアプローチするのが早道。練馬ICから六日町ICまでは187km/2時間ほど、そこから峠集落までは約40km/1時間半ほどの道のりとなる。一方、北陸道・上越ICからだと峠集落までは約30km/1時間の道のり。ナビでは国道403号を案内することもあるが、旧・大島村から西側の区間は国道とは名ばかりの狭く険しい山道なので、国道253号と県道13号を走った方がいいだろう。

Data【Route 45 星峠】
雲海遭遇率 ★★
雲海の季節 通年

◎所在地/新潟県十日町市
◎ルート/国道403号
◎区間距離/約15km
◎最高地点/標高360m
◎冬季閉鎖/なし

【A】まつだい芝峠温泉「雲海」
雲海を目の前にする絶景の露天風呂でくつろぐ

松代地区の北、芝峠の稜線地帯にある温泉宿。自慢は魚沼連峰や周辺の棚田を一望にする絶景の露天風呂で、宿の名前の通り、運が良ければ目の前の谷を埋め尽くす雲海とも出会える。日帰り入浴も可能で、季節によってはコテージでの宿泊ができるほか、棚田撮影案内の付いた宿泊プランも用意している。

●1泊2食付き12,800円〜/十日町市蓬平11-1/TEL 025-597-3939

【B】蒲生の棚田
雪化粧した時の美しさで名高い棚田

国道253号から国道353号が枝分かれする交差点の近く、小さな山間いにゆったりと広がる蒲生の棚田。ここも星峠の棚田同様、朝霧が発生しやすく、雪化粧をした時の風景が格別との評判から冬でも多くの人々が集まる。棚田からは正面にそびえる蒲生城山のほか、遠く越後三山や巻機山も望むことができる。

十日町市蒲生1588-8/TEL 025-597-3000(十日町市観光協会まつだい事務所)

【C】峠の茶屋 蔵
知る人ぞ知る絶品の釜飯と伝説の煮込み

人気番組『孤独のグルメ』でも取り上げられた峠の茶屋。国道253号・儀明峠のすぐ南にあり、井之頭五郎さんも絶賛した五目釜飯(1,380円)や煮込み定食(1,080円)が人気を集めている。釜飯は注文を受けてから調理しはじめるので、もし到着時間がわかるようなら、あらかじめ電話を入れておくといい。

●11:00〜14:30&17:30〜20:00/不定休/十日町市儀明217-1/TEL 025-597-3390

観光情報

十日町市観光協会 TEL 025-757-3345

文:佐々木 節/撮影:平島 格

『雲海ドライブ&スポット』より転載。掲載データなどは2017年8月末時点のものです。実際におでかけの際は、事前に最新の情報をご確認ください。

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