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ひとつのカタマリとして大きく! これがジムニーのアメリカンカスタムの王道【ジムニー天国2020】

誰もが圧倒される強烈なインパクト

80年代後半から90年代前半にかけて、日本では空前の4駆ブームが巻き起こったのは周知のことだろう。その火を点けた要因のひとつに挙げられるのが、かさ上げしたボディに大径タイヤを履かせたハイリフトだ。

ブームが根付く前にもコアな4駆乗りは多数存在していた。しかし、当時の日本には4駆をカスタム&チューニングするパーツはおろか、その情報さえ皆無。そこでアメリカの雑誌を参考に他車用パーツを流用したり、パーツをワンオフしたりでクルマを仕上げたものである。

オリジナルのクラッシュバンパー。スチール製だが強度よりもファッション性を重視した魅せるアイテム。

そんな4駆カスタムの本場アメリカで「王道」と言われているのが、リフトアップスタイルにビッグ&ワイドタイヤを履かせたハイリフト。クルマをひとつのカタマリ(Mass)として捕らえ、より高く、より幅広に大きくして存在感を高めるのだ。

サイドシルガードとステップを兼ね備えた実用的なサイドガードステップ。張り出し幅を調整可能。

シンプルな手法だが、悪路走破性を追求した本格的4駆の逞しさを強調するには最適。だから現在でもアメリカでは4駆の王道スタイルとして確固たる地位を築いているのだ。

多面デザインが特徴的なクラッシュフェンダー。110mmワイドでピアスボルトは好きな場所に取り付け可能。

JB23の代になってからジムニーのカスタム&チューニングはスポーツ系が主流。新型ジムニーもその路線が多い中、ファイナルビーストはあえての王道スタイルで仕上げてきた。

42インチLEDライトバー(ワークライト付き)。街灯のない道やキャンプ場などで重宝すること請け合い。

そのインパクトはとても強烈で、実車を目の前にしたら誰もが圧倒されるハズ。しかも、ベース車両はJB74ではなくてJB64だ。公道を走る場合は公認改造申請が必要となるが、現車を見たらそんなことは小さな問題に思えてくるだろう。

クラッシュバンパーの両端は箱形ではなくリブに板を張り付けた構造。凝った作りなのだ。

オーバーフェンダーは同店代表の神野氏が完全ハンドメイドで型を製作。JB64とJB74の両モデルに対応するようデザインされている。そしてオリジナルバンパーとの組み合わせで265/70R17サイズのタイヤを装着。255/50R20タイヤにも対応するというから驚きだ!

張り出し幅110mmのクラッシュフェンダー。これで265/70R17ものワイドタイヤに対応するのだ。

減衰力は絶妙の味付けで間違いなく万人受けするセッティング

265/70R17タイヤを履いたファイナルビーストのJB64。ザックリとした計算で純正タイヤよりも90mmワイド、120mmビッグなサイズだ。さらに3.5インチアップコイルスプリングを装着するから、ドライビングシートからの視点はかなり高くなっている。ショックアブソーバーは8段階の減衰力調整が可能で、まずはフロント、リアとも「4」で試してみることに。

ラテラルロッドはオリジナルの調整式ステンレス仕様に交換。スタビを装着するが外しても面白いかも?

低中速域での乗り心地は実に快適。かなりマイルドな乗り味で、路面のギャップを乗り越えてもハンドルを取られたりふらついたりしない。強くて速い衝撃を受けても乗員に固さを感じさせずにいなす。そして、ワイドトレッドによってコーナリングでもドッシリと安定して走り抜ける。

リーディングアームは調整式、トレーリングアームはMOリンクを装着している。

当初は「車高がかなり高くなったのでロールは……」と覚悟したが、その心配は杞憂だった。それどころか確実にノーマルよりも乗り心地が良くて安定感がある。コイルスプリングのセッティングはもちろんのこと、やはり高性能ショックアブソーバーの恩恵が大きい。別タンク式の大容量モデルだから懐が非常に深いのだ。

リアサスはMOリンクトレーシングアームにより捻れ性能が向上。乗り心地の良さにも貢献している。

タイヤとホイールの重量はかなり増しているのだが、荒れた路面でもまったく暴れることなくサスペンションの伸縮に従う。テスコトースでハイスピード走行を繰り返しても簡単には熱ダレしない。

3.5インチアップのコイルスプリング。剛性感があるので不快な横揺れは皆無。ショックとの組み合わせがイイ!

減衰力は神野氏がセッティングしているのだが、さまざまな競技経験が豊富な凄腕ドライバーだけに味付けが絶妙。間違いなく万人受けするセッティングだ。

オリジナルのB-TRACTIONショックアブソーバー。別タンク式の大容量モデルで8段階の減衰力調整が可能。

ちなみに減衰力を前後とも3と5に切り替え、さらに前後の数値を変えたてみた。前後3がもっともノーマルに近い乗り心地で、5だとやや固さを感じるだろう。

リフトアップの補正としてブレーキホースをロングモデルに交換。ステンメッシュだから制動力も向上している。

SHOP’s VOICE

「アメリカンワイルドスタイル!!」をテーマとした新型ジムニー用ブランド「クラッシュ!!」の開発を進めています。その第1弾を装着したのがこのJB64です。今後も色々なNEWアイテムをリリースしていきますので当店の新商品情報をお見逃しなく!

TUNER’s VOICE 大久保豪真さん

サスペンションは、街乗りからレースシーンまで多彩なパフォーマンスを発揮する高性能ショックアブソーバーと新作3.5インチコイルスプリング、MOリンクを組み合わせています。極上の乗り味を体感して下さい。

【装着パーツリスト】
★TIRE&WHEEL
TOYO オープンカントリー 265/70R17(オープン)/トレイルギア  9J×17-19(54,600円/本)

★SUSPENSION
ファイナルビースト B-TRACTION(52,500円/本)/ファイナルビースト 3.5インチUPコイルスプリング(35,000円/台)/J-UP カンパニー MOリンクトレーリングアーム(100,000円/台)/ファイナルビースト 調整式リーディングアーム(50,000円/台)/ファイナルビースト ステンレスメッシュロングブレーキホース(16,000円)/ファイナルビースト ステンレス ラテラルロッド(18,000円/本)/ファイナルビースト ダウンメンバー(20,000円)/ファイナルビースト リア プロペラシャフトスペーサー(9,500円)/ファイナルビースト フロント プロペラシャフトスペーサー(9,500円)

★ENGINE & POWER TRAIN
ファイナルビースト 4本出ステンレスマフラー(65,000円)

★EXTERIOR
ファイナルビースト サイドガードステップ(55,000円)/ファイナルビースト 42インチLEDライトバー(ワークライト付き)(43,000円)/ファイナルビースト クラッシュバンパー(65,000円)/ファイナルビースト クラッシュフェンダー リアエクステンション(73,000円/9,500円)

【問い合わせ】ファイナルビースト 0771-83-9313 http://final-beast.com/

 

テストドライバー:内田 靖 ジムニー天国2020より転載

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