本格的なクロカン仕様、すべての道を快適に乗れるJB64
筆者がインプレの仕事を始めて、もう10年以上が経過する。その間にさまざまな車両に乗って来た。そのクルマの指向性を自分なりに解釈し、意見を文章にしているのだが、ごく稀に困る時がある。筆者はジムニーで遊ぶ際、もっとも好きなジャンルが廃道アタック。単独走破性はもちろんだが、言葉にしにくい何かを感じるクルマがイイ。
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バンプストッパーは、延長ブロックで調整。伸びと縮みのバランスは計算済み。絶妙な味付けなのだ。
今回のマスターピースJB64は、ギリギリで発注していたタフドック のファームセルタイプが入庫し、奥原氏の思う完成形になったとのこと。コンセプトはクロカンだ。
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4WAYのステアリングダンパーは、かなり有効で大径タイヤ装着への武器となる。
ではインプレ開始。まずオンロード。基本サスペンションはソフト。コーナーロールは大きめだが、前後バランスの良さから扱いやすい。ハイスピードで走ることには向かないように思われがちだが、追従性が高いサスペンションは、スタビを装着するだけで激変しそうだ。
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オフセットタイプのラテラルロッドと、オフセットラテラルアップブラケットが装着されたリヤサスペンション。
次にオフロード。追従性は、現状JB64用として販売されているサスペンションの中で間違いなくトップ。初期入力はスムーズでソフト。 ストローク量は3インチリフトをフルに使い長大。リバウンド優先のフロントダンパーが程よいスタビリティを発揮し、キャンバーでの安定感は別格。言葉にするのは簡単だが、実はそれ以外がある。なんかワクワクするのだ。
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自由長が長く、レートバランスに優れたグレースサスペンション3インチアップコイ ル。
もし、筆者が廃道にJB64を持ち込むとしたら、間違いなくこのサスペンションは候補の1つだ。その根拠を言葉にするなら、帰って来られそうとしか言いようがない。
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リヤに装着されたトラクションリンク。これがこのクルマのキモとなる装備と言えるだろう。
筆者がオフを走る上で、もっとも大切に思っているのは帰還性能。「無事」と「激しく攻める」が両立できるのが大前提。これは装備だけでなく、作り込まれたクルマへの信頼感が感じられないとダメ。マスターピースのクルマにはそれを感じることができるのだ。
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サクソンレーシングのダウンテールマフラーは、走りにもっとも邪魔にならない形状のマフラーだ。