
1947年に誕生した“パックT”の元祖「ヘインズ3P-Tシャツ」は、その着心地のよさやリーズナブルな価格が評価され、「毎日着る身近なアンダーウェア」として、不動の地位を確立。そして日本人のためのパックTがこれだ。
※この記事はル・ボラン2014年8月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。
気持ちいい!このTシャツ。
何かで読んだ記憶があるのだけれど、デザイナーの山本耀司さんにとって最高にカッコいいファッションとは白いTシャツということだった。しかし残念なことに、アメリカ人の着こなしには日本人が逆立ちしたってかなわない。そこで自らのデザインを通して、日本人でもカッコよく見えるファッションを追求しているそうだ。
洒落たモードのイメージが強いデザインとは異なる創作の原点に驚きつつ、いくつになっても心の中でTシャツを着続けている人がここにもいるなぁと思った。Tシャツとはそんなアイテムなのだろう。
僕がはじめてTシャツを意識したのは、片岡義男の短編小説だった。多くの熟年世代にとって当時それはバイブルであり、僕自身、1970年代後半に出会って以来、いまの生き方にも大きな影響を与えられたと思う。
16歳でバイクに乗りはじめたのもそうだし、ハワイに興味を持ったきっかけもそう。バイクにはいまも乗り続けているし、ハワイのウクレレ趣味からアマチュアバンドをはじめ、もう10年以上になる。そんな片岡ワールドに欠かせないのがTシャツであり、タイトルにもなったのが「幸せは白いTシャツ」だ。これほどTシャツが象徴する本質を捉えた小説はないと思う。そして当時、僕が手にしたのはヘインズの3パックTシャツだった。
ビニールのパッケージを破ると、重ねて折り畳まれたTシャツがむき出しになった。折りジワのついた無造作加減がいかにもアメリカだった。そのまま洗濯機に投げ込み、それを強い日差しの下で乾かすのもいいけれど、近くのコインランドリーに持っていき、乾燥機に入れた。ガンガン乾かし(メーカーからはNGとされているが……)、わざと縮ませ、コットンの風合いを出すためだ。そうすると3枚のシャツはそれぞれ微妙に縮み加減が変わり、丈の長さやフィット感など異なった着心地が楽しめる。十代の、そんなささやかなこだわりも思い出した。
さて「ヘインズTシャツ ジャパンフィット」はより日本人に向けたスリムなフォルムになった。もう十年以上袖を通してなかったが、久しぶりに手にしようと思う。それこそ次のバイクツーリングにはパックで持っていくのもいい。もちろん快適な着心地はクルマのドライブでも変わらない。
そろそろ夏が近づき、Tシャツの季節がやって来る。青春とは心の持ち方というけれど、Tシャツが意味するところもまた同じなのだ。
ヘインズTシャツ ジャパンフィット
パックTのパイオニア、アメリカを象徴するブランド=ヘインズが、日本人のために生み出したオリジナルレーベル。インナーにはもちろん、アウターとしてこれ1枚でも着用できるベーシックTシャツは、現代の日本人の体型に合わせて研究/開発。従来の赤パック(3P-Tシャツ)よりも着丈を短く、アームホールを絞り、ネックを細めに設定、袖のパターンも変更されている。また洗い加工があらかじめ施されているので、買った時から肌に馴染みがよくジャストサイズで着心地もいい。素材は100%コットン天竺を使用し、透けすぎず厚すぎずの絶妙な素材感。衿ネームは、気になる背中の違和感を解消した熱転写タグレス仕様。サイズはXSからXLまで豊富に揃えられて おり、ぴったりとキレイめに着たい、運動するのにゆったり着たい……など、シーンごとにサイズを替えて着用できるのも嬉しい。さまざまな着こなしを提案しているサイトも用意されているので参考にしてみては? クルーネックとVネックで、カラーはホワイトとブラックをラインナップ。柔らかく手になじむ2枚組の新パッケージを採用。価格は2,970円(税込)。
●問い合わせ先:ヘインズ/TEL:03-5361-2823 http://www.hanes.jp/products/hanes-t-shirts-japan-fit/