モデルカーズ

プラモで楽しむ本格四駆のタフネスぶり!モン・モデル製「ジープ・ラングラー・ルビコン」【モデルカーズ】

元祖JEEPの流れを受け継ぐ正統派

小型四輪駆動車のパイオニアとして君臨し続けてきたジープ。最近のジープ・ブランドではコンパスやレネゲードといったSUVも展開されているが、元祖ジープのウィリスMB、その民生モデルであるCJの系譜を現在までつなげる直系モデルがラングラーだ。ラングラーの誕生は1987年型でのことで、AMCがクライスラーに買収された頃まで遡るが、以後3度のモデルチェンジを行い、現行モデルは4代目となる。ここで採り上げているJK系ラングラーは3代目、モデルイヤーで言うと2007-2018年型にあたるモデルである。

段々と大型化されてきたボディは、JKではホイールベース95.5インチ(2425mm)、全長164.7インチ(4185mm)となった。さらに、先代TJから加わったロングホイールベース版のアンリミテッドはラングラー初の4ドアへと昇華され、ホイールベース116インチ(2945mm)、全長185インチ(4705mm)という長大な体躯を誇る。これらJK系のボディは従来より剛性が大幅に向上、さらにサスペンションなどにも電子制御デバイスが導入され、ラングラーは現代的な乗り味へと一気に進化した。上記2つのボディを柱に3つのトリムレベルが設定されたが、エンジンはいずれも220-cid(3.6L)のV6 DOHC “ペンタスター” (284hp)を搭載(2012年以降)。

ルビコンは2003年型、2代目であるTJ型から設定されたパッケージで、ジープ最強のオフロード走破性を売りとしてきた。その10周年を記念して、2013年型にて100台限定モデルとして発売されたのが10thアニバーサリー・エディションだ。ウィンチ対応の鉄製バンパーと、標準より半インチ外径の大きなマッドテレーンタイヤ、MOPAR製ロックレールを装備して、さらにタフなジープとなっている。ホイールもブラックで塗装された専用のものを装着。インテリアにはダークレッドのレザーシートを採用し、記念プレートや刺しゅうがあしらわれる。2ドアと4ドア、ソフトトップとハードトップいずれも選択可能で、ボディカラーはアンヴィル・ブルーとブライト・ホワイトの2色の専用色となっていた。

細かな分割や可動ギミックで楽しめる好キット

さて、ここでお目にかけているのはモン・モデル製1/24スケール・プラモデルのジープ・ラングラー・ルビコンを制作したものである。キットは2017年製・品番CS-003、10thアニバーサリー・エディションのみ組み立て可能。作例では着脱可能とするためにルーフを一体化したが、パーツは実車通りルーフ前半が別体で、ここのみ着脱式とすることもできる。キットはオープンモデルとルーフ付きモデルのどちらかに組めるが、フロントウィンドウフレームの上部に付く部品を接着しなければ、どちらの状態も楽しめる。200点ほどのプラパーツと中空タイヤ、サス用の金属スプリング、ミラー面などのメタルインレットで構成されている。

ボディは各面がバラバラのパネルで構成されている。合いは良く、特に手を加えるところもない。10thアニバーサリー・エディションにはブルーとホワイトがあるが、説明書に書かれているブルーを選んでみた。これは「アンヴィル・ブルー」と言われる色(ラングラーには「アンヴィル・グレー」という色もあるので混同しないように注意)で、作例ではミディアムブルー(Mr.カラーC72)を混色なしで用いた。若干濃い感じなのでホワイトなどを加えた方が良いかもしれない。フード上のフックは折りやすいので注意(作例は洋白線に置き換えている)。グリル内のライト関係の部分がグリルと一体成型されているが、ここはライト部のみ分割してメッキパーツとしてほしかったところだ。作例ではベアメタルのクロームを貼り込んでいる。

リアゲートは可動式のようだが、強度的に弱いので作例では接着固定した。サイドステップ(ロックレール)は取り付け部分が僅かなので、ここはプラ板で接着部分を多くとれるように手を加えた。ドアおよびルーフに付くウィンドウのパーツも、接着面が僅かなので慎重に作業しよう。インテリアはフロア等のモールドが素晴らしく、とても良くできている。シートは合わせ目が若干目立つ所があるので、成形が必要だ。塗装指示がシート以外つや消し黒一色の指定となっているが、半つや黒なども使って変化を持たせたい。シートはGX3ハーマンレッドを3/4つや消しにして塗装。指示では記念バッジのベースカラーがアクリジョンN77(タイヤブラック)だが、クロームまたはシルバーが正しい。ダッシュボード取り付けはボディのサイドパネルを接着したあとの方が角度を決めやすいだろう。

シャシーもよく出来ていて、スプリングを用いてサスペンションが可動する。注意点としては、フロントアクスルとスピンドルの接合箇所が挙げられる。強度的に弱く破損しやすいのだ。リアアクスルも同様なので出来れば処置をしておいた方が良いだろう。スプリングはシャシーフレーム側をエポキシまたは瞬着で接着しておいた方が良い。サスに付くロッドはハメ込み式となっているが、無理に入れようとすると破損するので慎重に作業したい。ホイールハウス内から反対側が見えてしまうので、プラ板などで遮蔽物を付けると良いだろう。エキゾーストパイプはエンジン側に付くパーツの接着面が僅かなので、金属線を埋め込んで補強する。

ここまで細かく再現されたシャシーだが、エンジンとミッションは下面のみの表現となっている。ボディパネル内側にはエンジンベイまで(一部)モールドされているのに、少々残念だ。ホイールはMr.カラーC92つや消し黒で塗装し、トリムは40-02プリビアスシルバーで筆塗りした。

作例制作=周東光広/フォト=服部佳洋 modelcars vol.265より再構成のうえ転載
CARSMEET web編集部

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