完成車をただ売るのはディーラーの仕事であってカスタムショップのやることではない。プラモデルメーカーもまたユーザーの介入なくして商品の魅力は訴求しようがない。しかし従来のパッケージでは手にとってもらうことすらままならない、というジレンマが「カスタムショップ」というシリーズ・タイトルとパッケージフォーマットを生んでいる。それでもなお込められた含意も願いも消費者には届かず、「で、要するにこれって何?」の質問は日々店員を苛む。実際、キットは通常パッケージ——伝統的なプラモデルらしい箱の方がよく売れたと聞く。
写真:羽田 洋、秦 正史