このキットは発表年から言えば前回のクライスラーやエドセルと同じ括りに入るものである。プロポーションは見て分かる通り良好であり、また凹モールドによるドアラインの深さなども好ましい。それ以上に目を見張らされるのは素材感を表現した表面モールドで、ドアのウッドパネルには、第46回でお見せしたフェアレーン427のドアトリムのような木目がびっしりと入れられており、一方ルーフには人工皮革独特の質感(コブラグレイン)が再現されている。一体のドアノブが興を殺ぐと言う向きもあろうが、これだけ大きければ切り取って別部品とする工夫もできそうだ。
写真:羽田 洋、秦 正史