前述の疑問「なぜベルヴェディアなのか?」は、このキットの10年後に、その答が分かることとなる。と言うより、1958年型プリマスをキット化した時点で予想はつくであろう。映画『クリスティーン』のタイトルロール車両としてバリエーション展開するためである。しかし、2012年発売のクリスティーン仕様(品番801)は、ライセンスプレート以外はあまり使い道のないロゴ満載のデカールが付け足されただけの、これもまた「わかってない人のしわざ」と思わせるものだった。トランクリッドにモールドが欠けていた「PLYMOUTH」ロゴがデカールで追加再現されていればまだしも……。
写真:羽田 洋、秦 正史