
東京のコースは他で経験したことないほどバンピー
NEOMマクラーレン・フォーミュラEチームは、FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11の第8戦、第9戦として開催される東京大会(東京E-Prix)を翌日に控えた5月16日、ラウンドテーブルを開きメディアの質問に答えた。出席者はマクラーレン・エレクトリック・レーシングのマネージングディレクター兼チーム代表のイアン・ジェームスと、サム・バード、テイラー・バーナードのふたりである。
──東京での開催は2回目ですが、戻ってきた気分はいかがですか?
イアン・ジェームス(以下ジェームス) 昨年は、2回目の今回のために慣れるためのレースだった気がする。日本のモータースポーツとマクラーレンのつながりには歴史がある。F1のチームは伝統のある鈴鹿に行ったばかりだ。東京は日本の首都なので、ここでレースできることをとても名誉なことだと思っている。それに、日本はマクラーレンにとって、とても重要なマーケット。(スポンサーである)TDKのホームレースでもある。
──シーズン中盤に差し掛かっていますが、これまでのパフォーマンスを総括してください。
ジェームス 我々の目標はレースに勝つことであり、チャンピオンシップを制すること。正直に言うと、ポテンシャルをフルに生かし切れていない状況だ。今シーズンのハイライトは、表彰台に上が、ポールポジションを獲ったこと。直近では、モナコのレース1(第6戦)でバーナードがポールポジションを獲ったことだ。
東京での週末は、2台でできる限りのポイントを獲ること。詳しくはドライバーに聞いてもらいたいが、東京のコースはチャレンジング。明日(17日)は雨になるだろうからエキサイティングなアクションが期待できると思う。
──サム、東京のコースの印象を教えてください。
サム・バード(以下バード) とてもユニークなコースだと思う。ターン2とターン3の間は観客にとってエキサイティングだと思う。シングルシーターなのにラリーカーのようにジャンプするんだ。一方で、ターン9のような高速コーナーがある。オーバーテイキングゾーンはターン1とターン10、そしてターン15になると思う。
──あなたはシーズン1からフォーミュラEに参戦していますが、現在までの変化をどう感じていますか?
バード まさに信じられないジャーニーだよ。チャンピオンシップの様相は激変しているし、スピードは劇的に高まっている。各マニュファクチャラーが投入している技術の進化も激しく、効率の戦いをしている。限界が毎年更新されているような感じだ。
──テイラーにとって東京大会は初めてですが、どのように準備をしましたか?
テイラー・バーナード(以下バーナード) 他のコースに対しても同じだけど、(ドライビング)シミュレーターで準備した。東京のコースに関していうと、他のコースでは経験したことないほどバンピーなのが特徴。肉体的な心配はしていないが、まずはバンプになれることが課題だと思っている。
──フォーミュラEは、これまで参戦してきた他のカテゴリーに比べてどこに特徴がありますか?
バーナード フォーミュラEは僕にとって初めての世界選手権。とてもハイレベルで、大きなマニュファクチャラーがいて、経験豊富なドライバーが大勢いる。これまでのカテゴリーと異なるのは、エネルギーをセーブしなければならないこと。そして、ホイール・トゥ・ホイールで競い合うこと。コーナーごとに誰かと競い、それがレース中ずっと続くんだ。今のところ、とても楽しんでいるよ。
──ジェームスさんに質問です。同じパワートレーンを積む日産フォーミュラEチームは今シーズン7戦中3勝していますが、マクラーレンは未勝利です。この差をどう説明しますか?
ジェームス 日産とマクラーレンは類似点が多い。ドライバーラインアップも強力な点で共通しており、互角に戦えると思っている。フォーミュラEはとてもコンペティティブなシリーズだ。どの週末も完璧な展開が求められる。私たちは表彰台には何度も上がっているし、ポールポジションも獲っている。うまくいかないことがあっただけだ。ただ、言い訳はしたくない。私たちの究極的な目標は勝つこと。すべてのコンペティターを打ち負かすために戦っている。日産のパワートレーンを積む4台の車両がトップを占め、我々がワンツーになるのが理想だ。
──ふたりのドライバーにお聞きします。マクラーレンのロードカーに乗ったことがあるとしたら、その印象を教えてください。
バード ラッキーなことに750と765、アルトゥーラを運転したことがある。765はとにかく速く、すべてが素晴らしい。アルトゥーラはバランスのいいクルマで、日常使いができる。一方で、サーキットを走らせてもスペシャルな気分を味わうことができる。
バーナード 正直、あまり運転したことがないんだ。マイアミ戦のメディアデーで運転させてもらったけど、素晴らしい体験だった。サムほど詳しい話はできないが、ブレーキの性能はまるでレースカーのようで素晴らしかった。