実車のノスタルジックなスタイリングを巧みに捉えたボディー。ハドソンは1948年型で戦後型をデビューさせ、ステップダウン構造による流麗なスタイリングで注目を集めたわけだが、その独特な車体構造が、容易な外観変更を許さなかったため(それだけでなく、企業規模による部分も少なくはなかっただろう)、グリルなどの細部の変更のみで1953年型までを過ごしており、そのため当時すでに時代遅れになりつつはあった。作例はアンテナを格納状態としたほか、ボディーと一体のドアノブをジャンクパーツに置き換えるなどの加工がなされている。
写真:羽田 洋、秦 正史