車内に入ってステアリングを握るとひんやり――。そろそろ手袋が恋しい季節がやってきた。でも、ハードなドライビンググローブは、トゥーマッチ。というアナタにさりげなく普段使いもできそうな、日本、英国、フランス製の3種類をご紹介します!
※この記事はル・ボラン2020年1月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。
これなら普段使いできそう!〈ドライビンググローブ〉
いよいよホリデーシーズンがやってきた。華やかな街の賑わいに、どんなに多忙でも心が踊り、クリスマスプレゼントへの期待が気分をさらに盛り上げる。こんなものを贈られたら嬉しいなぁとあれこれ思案するのも楽しい。子供の頃とは違って、結局は自分へのご褒美になってしまうのだけど。
そんなギフトの筆頭に挙がるのが手袋だ。イメージには、母が夜なべをして編んでくれるという童謡や、小さな子供の可愛らしい手袋姿が重なり、人の温もりや愛情が伝わってくる。寒さが厳しい時季ほどその暖かさが身にしみるのだ。そこでクルマ好きならこんなドライビンググローブはどうだろう。
デンツは1777年にイギリスで創業したグローブメーカーで、その歴史と品質から“グローブ界のロールス・ロイス”と讃えられる。しかも007が映画『スペクター』で着用したモデルを再現した。ラストシーン、アストンマーティンのエンジンをかけ、シフトレバーを握るその手元が甦るだろう。
シャパルは1832年にフランスで創業し、戦時中はフランス空軍やアメリカ空軍にフライトジャケットを納品した。現社長はフェラーリコレクターとしても知られ、現在では50年代のビンテージスタイルのレーシングアイテムを手がけ、ミッレミリアでもお馴染みだ。美しいスエードレザーは、シンプルながら洗練され、フランスの洒脱が漂う。
CACAZAN(かかざん)は、40年のキャリアを持つ手袋職人が手がける日本のファクトリーブランドだ。革の裁断から縫製まですべての工程を一貫して行い、日本人の手に合ったサイズやパターン、高い品質を誇る。ル・ガラージュとの共同開発で、甲の開口部は狭くする一方、ステアリングとの接地は当て革をするなど、よりドライビングに向く。
いずれもドライビンググローブの機能を備えつつ、大仰さを抑え、シックなグローブとして日常使いできる。ついついポケットに手を入れがちだけど、こんな手袋があれば、寒風でも両手を出して背を丸めることもない。そんな手元の温もりが気持ちまでも豊かにしてくれるだろう。
●問い合わせ先=ル・ガラージュ TEL:03-3587-2785 https://www.legarage.jp/