当時らしさ、クラウンらしさ溢れるツートン
フジミの1/24プラモデル、130系クラウン2000ロイヤルサルーンを作っていこうという連載であるが、4回目となる今回は、ボディ塗装へと入っていこう。
【画像33枚】塗装前の処理からクリアーコート磨き出しまでを見る!
さて、トヨタ・クラウンのボディカラーと言えば思い出されるのが、近年では”モモタロウ”のピンク、古くは”白いクラウン”のホワイトであろう。「白いクラウン」のキャッチで大いに売ったのは、1960年代後半の三代目・S50型系であるが、ハイソカー全盛期となった1980年代半ば~後半も、クラウンと言えばホワイトであった。六代目・S110型系で、イメージカラーはそれまでのグリーンやマルーンからホワイトへとシフト。S120、S130と、続く世代ではさらに純白さを押し出したものである。
トヨタ自慢のスーパーホワイトは、S130の時代ではスーパーホワイトⅡに進化しており、より雑味のない白さをアピール。デビュー当時の広告でも、3LワイドボディのロイヤルサルーンGが、スーパーホワイトⅡをまとって、その幅広い車体をさらに膨張させて見せていた。一方で、この頃のトヨタ車は次なる高級感の訴求としては、グレー味とパールの輝きを押し出しつつあった。それが、ツートンカラーとして用意されていた「シルキーエレガントトーニング」である。
スーパーホワイトの次を担ったカラーとは
このツートンは、上部を前述のようにグレー&パール感のあるホワイトで覆い、下部をゴールド寄りのグレーメタリックで塗り分けたもので、標準設定のボディカラーではなく注文装備として用意されていた。当時のカタログでは、まずロイヤルサルーンGをスーパーホワイトⅡで見せたのちに、2000ロイヤルサルーン スーパーチャージャーを、このシルキーエレガントトーニングで紹介しているため、2Lモデルのテーマカラーのような趣がある。作例ではこのツートンを再現することとした。
クラウンのボディカラーについてさらに触れておくと、実はツートンはこのシルキーエレガントトーニングが唯一のもので、あとは単色である(以下、記述は全てデビュー当初の状況についてなのでご注意)。もうひとつ、ノーブルエステートトーニングというツートンが、これもやはり注文装備として存在したが、これはその名から分かる通り、ステーションワゴン専用のカラーである。具体的には、ベージュメタリックの濃淡2色による塗り分けと言えばわかるだろうか。
では単色のボディカラーは他に何があるか、当時のカタログから拾ってみよう。前述のスーパーホワイトⅡのほか、ダークレッドマイカ、グレーメタリック、グレーマイカメタリック、ダークブルーメタリックの4色が確認できる。他におそらく、タクシー用のミズリナグリーン(古くからクラウンのスタンダードに用意されている色)と、公用車などに使われるはずのブラックがあると思われるが、カタログには掲載されていない。また、スーパーシルバーⅡメタリックというカラーが紹介されているが、これもワゴン専用色のようである。
もちろん模型作りにおいては、実在のボディカラーに囚われることなく、自分の好きな色を塗るのも楽しいであろう。一方で、こうして現実にラインナップされていたカラーを調べ、その中でチョイスしてみるのも、当時の実車オーナーになった気分の疑似体験のようで、面白いものである。次回はシャシーやインテリアの塗装・組み立てとなるので、お楽しみに。