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【海外試乗】Gが“早くも”ビッグフェイスリフト!進撃のG、再び「メルセデスAMG・G63」

2018年に約40年ぶりのフルモデルチェンジを受けたGクラスが“早くも”ビッグフェイスリフト。2024年以降に販売が予定されているEQGとの併売も決定され、ICEとして再び快進撃を見せるのか!? ここでは同乗試乗でわかった、新しいICE搭載Gクラスの印象をお伝えしよう。

ICE搭載Gクラスの継続生産が決定

2018年に開催された北米国際オートショーで、当時のCEOディーター・ツェッチェとアーノルド・シュワルツェネッガーと共に、真紅の炎が立ち上る中、フルモデルチェンジを受けたGクラスが登場。外観に大きな変化はなかったものの、世界へセンセーショナルなインパクトを与えることとなった。
Gクラスは日本市場でも好評で、2021年の輸出出荷割り当ては5238台と輸入車では総合10位、またメルセデス・ベンツ日本では記録的な販売成績を達成した。
しかし、2035年には完全電動化を宣言したメルセデス・ベンツの戦略下ではGクラスも例外ではない。同社はEQGと名付けたBEVのコンセプトモデルをジャパン・モビリティ・ショーで日本初公開。2024年には発売が予定されている。それゆえに現行モデルの去就が注目されていたが、同社はBEVバージョンの発売後もしばらく併売することを決定した。この背景にはEQSやEQEなどの高級BEVがアメリカなどで苦戦しており、反対にICE搭載のSクラスが安定した売れ行きを見せているという事実がある。

MERCEDES-AMG・G63 PROTOTYPE/特にオフロード走行で感銘を受けたのは、新たにオプションで搭載される油圧制御式ダンパーを持った「アクティブライドコントロール」である。この最新のシャシー技術によって各車輪のグリップが向上し、トラクションが劇的に進化している。

この流れで、2024年以降にEQGと同じショールームに並ぶことが予想されるICE搭載Gクラスが見劣りがしないようにフェイスリフトを行なうこととなった。いや、正確に言えば来年登場するICE搭載Gクラスのボディには、空力特性を考慮したEQGとほぼ同じデザインが与えられた。
今回、完成に向けての最終開発を終えたニューGクラスの上位モデルG63プロトタイプに同乗し、助手席から取材をする機会を得た。
テストコースに現れた試乗車はカモフラージュが施されていたが、半世紀近く経過した角ばったエクステリアには大きな変化は見られなかった。フェンダー上のターニングライトユニットも健在だ。ただし、フロントのグリルおよびヘッドライト周辺は特に厚化粧が施されており、この辺りにリファインメントが行なわれているようだ。同行した開発エンジニアも空力特性の向上が図られていると告白している。
Gクラスを象徴するドアグリップの開錠ボタンを押して助手席に乗り込むと、伝統のアシストグリップの存在が目に入る。しかしドライバー正面の景色は一変しており、Sクラスから移植された2枚のデジタルスクリーン、そしてマルチファンクションステアリングホイールが備わり、最新世代のMBUXによる音声入力も加わるなど大きく進化している。一方、リアコンパートメントは明らかに居住性が改善され、リアシートのバックレストが分割式になるなど利便性も向上(残念ながらインテリは撮影禁止であった)。

もっとも大きな変化はボンネット下に見られる。すべてのエンジンには48Vマイルドハイブリッドが装備され、さらに4L・V8エンジンは、今回テストしたG63AMG専用となる。というのはV8をオーダーするGクラスオーナーのほとんどがAMGを選択しているという市場調査からだ。正確な出力データは未発表だが、発進時および登坂路での力強さから想像するに低速トルクの改善を含め、若干のパワーアップは行なわれているはずだ。
アウトバーンでのクルージングテストではフラットで快適な乗り心地を提供していることを確認。ニューGクラスは写真のようなオフロードだけでなく、オンロードでもパフォーマンスは一段高いレベルへと進化したのを感じた。
ICE搭載Gクラスの生産販売継続は、充電インフラなどが未だ発展途上の日本のファンにとっては間違いなく朗報だろう。ただし、この原稿を書いている12月初旬ではまだ正確な導入時期や価格などは発表されていない。

リポート=キムラ・オフィス フォト=メルセデス・ベンツAG ル・ボラン2024年2月号より転載
LE VOLANT web編集部

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