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北欧デザインに包まれながら静かな山間や湖畔を巡る旅を楽しみたい
筆者(黒木美珠)は30歳を迎えたら憧れの輸入車を手に入れたいという夢を抱いています。この連載では、輸入車の魅力を探求しながら、心を動かされたモデルを紹介していきます。果たして、美珠の心を奪う一台は見つかるのでしょうか? 第5回は、北欧の美意識と最先端の技術が融合した「ボルボ V60 RECHARGE ULTIMATE T6 AWD プラグインハイブリッド」をお届けします。
皆さんはボルボというブランドをどのようなイメージで捉えていますか? 筆者にとってボルボは、長年「安全性の代名詞」という印象が強かったのですが、最近ではその洗練されたデザイン性や環境性能がさらに注目されています。そんなボルボのラインナップから、今回は「V60 RECHARGE ULTIMATE T6 AWD プラグインハイブリッド」をご紹介します。
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北欧の美学を纏ったエクステリアデザイン
全長4,780mm、全幅1,850mm、全高1,430mmというプロポーションは、流麗なボディラインを引き立てつつも、実用性を損なわない絶妙なサイズ感です。特徴的なフロントフェイスには、ボルボのアイデンティティでもある「トールハンマー」をモチーフにしたLEDヘッドライトが輝きます。昼夜を問わず視認性が高く、洗練された印象を与えるだけでなく、安全性にも寄与しています。
リアに目を移すと、独特なL字型テールライトが印象的です。点灯時には大胆かつ優雅なデザインが目を引き、V60の存在感を際立たせています。シンプルでありながら洗練されたボディラインは、まさに「北欧の美学」を体現していると感じました。
今回試乗したのは「シルバートーンメタリック」というボディカラー。光の当たり方次第で、ベージュのように温かみを感じさせる瞬間もあれば、シルバーのような洗練された輝きを放つこともあります。この色は、光の加減や見る角度によって多彩な表情を見せてくれる、上品で大人な雰囲気をまとった特別な一色です。
機能美と快適性を両立したインテリア
インテリアに足を踏み入れると、まるで北欧のラグジュアリーホテルにいるかのような洗練された空間が広がります。パーフォレーテッド・ファインナッパレザーの質感が高級感を醸し出し、触れるたびに心地よさを感じられます。
特に感動したのがシートの快適性でした。「エルゴノミックデザイン」を採用したこのシートは、どんな体型にも自然にフィットするよう設計されており、ドライブでも疲労感をほとんど感じさせません。また、筆者がシート選びで特に重視する座面の長さ調整機能も備わっており、まさに理想的なデザインと言えます。
さらに、センターディスプレイには縦型のタッチスクリーンを採用。直感的に操作できるレイアウトは非常に使いやすく、日常使いの快適さを実感しました。そして、シフトレバーにはクリスタルデザインを採用しており、洗練された高級感と他のブランドにはない個性が際立っています。
ラゲッジスペースは最大481Lと広く大きな荷物を積んでも余裕があり、アウトドアや旅行にもうってつけです。さらに、ラゲッジルームには、スペースを分割することのできる折りたたみの仕切り板がついています。ここにはゴムバンドなどもついており、荷物が滑って移動したりするのを防いでくれる優れものです。
驚きの走行性能と環境性能
試乗した「ボルボ V60 RECHARGE ULTIMATE T6 AWD プラグインハイブリッド」は、2.0L直列4気筒16バルブインタークーラー付ターボチャージャーガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせたモデル。システム最高出力253ps、最大トルク350Nmというハイパフォーマンスを誇ります。
一般道で低速から中速域、さらには中高速域まで試乗しましたが、まず驚かされたのはその静粛性でした。特にモーターのみでの走行時は、EVらしい静かさで、その洗練された走行感覚に感動しました。それでいて、アクセルを踏み込むとレスポンスは非常に良く、スムーズな加速が楽しめます。
さらに、ドライブモードを変更するとエンジンが稼働し、バッテリーの充電を優先する設定に切り替わります。このモードでは力強い加速が際立ち、ややワイルドなエンジンサウンドと共に、身体を押し付けられるような迫力ある加速感を体感できます。この魅力的な走行感覚は、燃費のことを一瞬忘れてしまうほどで、思わずずっとこのモードで走りたいと思わせられました。また、エンジン稼働時でも振動は非常に少なく、快適な室内空間を維持している点も印象的です。
加えて、AWD(四輪駆動)による安定した走行性能も特筆すべきポイントです。ワインディングロードではしっかりとしたグリップ感が得られ、コーナリング時の安心感は抜群。ドライバーに大きな自信を与えてくれる走行特性が感じられました。
実用性を備えたPHEV(プラグインハイブリッド)
EV走行換算距離(等価EVレンジ)は最大91kmを誇ります。日常の短距離移動であればガソリンをほとんど使わずに済むのが魅力的です。また、電動モードとエンジンモードの切り替えが画面上で操作でき、必要に応じたドライビングスタイルを簡単に選べます。
価格
今回試乗した「V60 T8 AWDプラグインハイブリッド」のメーカー希望小売価格(税込)は909万円。確かに高額ではありますが、この価格には最先端の安全性能、環境性能、美しさ、そして走行性能が凝縮されていると考えれば納得感があります。
また、V60シリーズはガソリンエンジンやマイルドハイブリッドを搭載したモデルもラインアップされており、予算に応じて手に取りやすい価格帯から選べる点も魅力です。さらに注目したいのが、認定中古車という選択肢です。走行距離が短く、年式が比較的新しいモデルでも、約400万円から在庫を見つけることができました。初めてボルボを購入する場合、中古市場から検討するのも賢い選択肢と言えるでしょう。特に私のような年齢層にとっては、手頃な価格でボルボの魅力に触れられる絶好の機会だと感じました。
総評
V60は、カップルや友人、家族との大切な時間を豊かにしたい方や、洗練されたデザインと高い実用性を求める方にぴったりの一台です。通勤からレジャーまで、V60ならではの美しさと走行性能、実用性のバランスが、日常のあらゆるシーンを特別なひとときへと変えてくれるでしょう。
もし私がV60でドライブに出かけるなら、北欧デザインの魅力に包まれながら、静かな山間や湖畔の景色を巡る旅を楽しみたいと思います。例えば、富士五湖を巡るルートや、美しい白樺林が広がる蓼科エリアを走るのはいかがでしょうか。そんな景色の中を走る自分を想像するだけで、胸が高鳴ります。
【5段階評価】
美しさ:⭐⭐⭐⭐
個性:⭐⭐⭐⭐
デザイン:⭐⭐⭐⭐⭐
サイズ感:⭐⭐⭐⭐⭐
価格:⭐
走り:⭐⭐⭐⭐
将来の購入可能性は、限りなく90%に近い88%といったところでしょうか。美珠の「輸入車解禁」候補として、V60がリストに加わる日も近いかもしれません。あなたなら、どのモデルを選びますか?
この試乗を終えた数日後、不思議なことに街中でV60を目にする機会が増えました。偶然なのか、それとも何かに引き寄せられているのか――そんなことを思いながらも、この直感を前向きに受け止めたいと感じています。
まとめ
未来の愛車探しの旅を通じて、これからどんな車に出会い、どんな車に惹かれていくのか、ワクワクが止まりません。もし皆さんのおすすめの輸入車があれば、ぜひX(旧Twitter)にて「#輸入車デビューへの道」をつけて教えてください! みなさんの感想やおすすめ輸入車を聞かせていただくのを楽しみにしています! それでは、また次のクルマでお会いしましょう。
【Specification】ボルボV60リチャージ・アルティメットT6 AWD プラグインハイブリッド
■車両本体価格(税込)=9,090,000円
■全長×全幅×全高=4780×1850×1430mm
■ホイールベース=2780mm
■車両重量=2050kg
■エンジン種類=直4DOHC16V+ターボ
■総排気量=1968cc
■最高出力=253ps(186kW)/5500rpm
■最大トルク=350Nm(35.7kg-m)/2500-5000rpm
■燃料タンク容量=60L(プレミアム)
■燃費(WLTC)=15.6km/L
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前:ダブルウィッシュボーン/コイル、後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:235/40R19