ターボラグのネガを効率的に克服
アウディは新型SQ7に搭載した世界初の「電気ターボ」の仕組みをイラストレーションで解説するビデオを公開した。
昨日お届けした「【動画】電動ターボのアウディSQ7とジェット機が加速対決! 勝つはどっちだ!?」のとおり、新型アウディSQ7の加速性能の高さはご理解いただけたかと思う。その加速に貢献しているのが電気ターボ「EPC(エレクトリック・パワード・コンプレッサー)の存在だ。
搭載されるV8ディーゼルエンジンはふたつのターボチャージャーを組み合わせているが、低中負荷時は1基、高負荷時は2基のタービンを稼働させる。EPCがそれぞれのタービンをあらかじめ回転させておくことによって、ターボラグをほとんど発生させずに加速させられるというわけだ。
EPCの駆動用としてリチウムイオン電池による48V回路が搭載されているが、一般電装用に鉛バッテリーの12V回路も併用され、コンバーターを介して両者の互換性が確保されている。このため、48V回路の電力を必要に応じて12Vに変換して活用できるから、12V用バッテリーの負荷や電気的損失が軽減できる。効率の面でも抜け目はないのだ。
このビデオでは、透視図によってEPCや48V回路の搭載位置が確認できるほか、エンジン回転数に合わせた吸排気の様子がわかるようになっている。
一般的に、ターボ車は強力な加速を演出する魅力を持つ一方で、多少なりともターボラグを生じがち。まさに諸刃の剣であることはよく知られているが、新型アウディSQ7が搭載したEPCは、まさにターボの欠点を克服した画期的なソリューションといえる。
踏めば即座に過給するターボ車——。アウディの目のつけどころ、なかなか優れているとは思いませんか?
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