アルファロメオ

2022年のアルファ・ロメオはどうなる!?【嶋田智之の月刊イタフラ】

この先5年も目が離せない展開!

 何っ? 8Cだって? GTVだって? これから数年のアルファ・ロメオ、めちゃめちゃオモシロイことになりそうじゃん!

……と、欧州の同業の友人が送ってくれたファイルを見て、僕は小躍りした。オヤジの小躍りなんてものは考えてみたらちっとも美しいモノじゃないし、できれば見たくもないわけだが、そのファイルにはきっと美しく生まれてくるだろうクルマの名前が、できれば1日でも早く見たいと思わせられるクルマの名前が、しっかりと書かれていたのだ。

 その“ファイル”とは何か。6月1日にアルファ・ロメオの聖地であるバロッコで行われたFCAグループの投資家向けイベントが行われたのだが、そこで発表されたアルファ・ロメオ・ブランドの今後5年間の計画について記されたもの、である。つまり、ガセじゃない。

 2018年現在のアルファ・ロメオのラインナップは、Bセグメントにミト、Cセグメントにジュリエッタ、Dセグメントにジュリアとステルヴィオ、そしてEセグメントには何もなく、スペシャルティとして4Cクーペと4Cスパイダー、である。それが2022年にはどうなっているのか──。

 まず、Bセグメントには何もない。ミトは廃止! とアナウンスがあったわけではないようだが、以前から小さなアルファ・ロメオは今後は作らないと公言されていたから、やはりその方向なのだろう。愛らしくハンドリングの楽しいミトが欲しいなら、そろそろラスト・ミニッツ! である。

 興味深いのは、おそらくこれも廃止なのでは? と見られていたジュリエッタが、ラインナップに残されていることだ。現行ジュリエッタのデビューが2010年で、すでにモデル末期となっていることから、これはフルモデルチェンジ版と見ていいだろう。ひと頃、ジュリエッタの後輪駆動化がウワサされたこともあったが、第4世代目となるジュリエッタはCセグメントとして貴重なFRのスポーティ・モデルに生まれ変わるのかどうか、興味津々だ。

 ジュリアとステルヴィオに関しては、それぞれデビューが2015年と2016年だから、2022年にラインナップされているのがマイナーチェンジ版なのかフルモデルチェンジ版なのか、ちょっと微妙なところだ。が、どちらにもロングホイールベース仕様が追加されることはアナウンスされている。それはショファードリブンの多い中国市場を睨んでのもの、ということだ。

 そして、Cセグメントの欄には“C UV”、Eセグメントの欄には“E UV”という文字が記されている。つまりステルヴィオより小さなSUVと大きなSUVの2種が追加になる、ということだ。いうまでもなく、世界的なSUVブームとステルヴィオの好調を受けての強化。おそらくステルヴィオ同様、走らせる楽しさの濃いSUVとなるだろうことは簡単予想できるが、果たしてスタイリング・デザインがステルヴィオの大中小になってしまうのかどうか、そこが気掛かりだ。ボルボもXC90、XC60、XC40とSUV大中小をラインナップさせているが、それなりに似て異なるモデルに仕立て上げている。さらにスタイリストであることを求める傾向の強いアルファ・ロメオのファンは、おそらくもっと似て異なるモデルであることを望むはずだ。そこは命運を分けるひとつの鍵になることだろう。

さて、ここからが本題だ!

──と、ここまではイントロのようなモノ。今回のお話は、ここからが本題だ。

まずはGTV、である。初代ジュリア時代のスプリントGTV/1750GTV/2000GTV、そして916型スパイダーのクーペ版であるGTV以来となる伝説的ネーミングの復活だ。

 新しいGTVに関しては、前後重量配分が50:50であること、Eブースト・テクノロジーを利用した600馬力以上のモデルがラインナップされること、トルクベクタリング機構とAWDシステムを持つこと、4人乗りであること──が明らかにされた。が、これは事実上、以前からウサワになっていたジュリア・クーペ、要はジュリアのクーペ版と見ていいだろう。欧州ではジュリア・クーペのパワーユニットは、2リッター直4ターボの280ps版と2.9リッターV6ターボの510psのそれぞれにハイブリッド・システムを合わせ、それぞれ350psと600psを発揮する、ハイブリッドのシステムについては、同グループのフェラーリが“ラ・フェラーリ”で採用した仕組みに近いモノが使われるのでは? といわれていた。そのあたりの真偽のほどは定かじゃないが、遠からじ、といったところではないだろうか?

 

8Cは真性スーパーカーに?

 今回の発表の中で最も衝撃的だった、8C。これは2007年に限定で発売された8Cコンペティツィオーネとは異なり、ミドシップ・レイアウトとなる。それ以外に明らかにされているのは、カーボン・モノコックであること。ミドにマウントされるのはツイン・ターボ・エンジンであること、フロント・アクスルにモーターが備わるハイブリッド・システムを搭載すること、それらのシステム合計で700馬力を越えること、静止状態から100km/hまでの加速タイムが3秒以下であること、といったところ。……お気づきだろうか? エンジンがV8ツイン・ターボになるのかV6ツイン・ターボなのか、明言されていないのだ。“8C”という名称だからV8ツイン・ターボで、フェラーリ488のモノをベースにするというウワサが流れはじめた一方で、同じくフェラーリ・カリフォルニアTのエンジンをベースにV6として設計しなおしたジュリア・クワドリフォリオの2.9リッターの出来映えが素晴らしいため、それにチューンナップを加えて“8気筒並み”ということにするのではないか、という異論もある。アルファ・ロメオの真性スーパーカーとなる新しい8C──いずれにしても楽しみで仕方ない。

 ほかにも全モデルにハイブリッド・システムやEブースト・システムなどの電気技術を採用したモデルを投入すること、レベル2もしくはレベル3の自動運転技術を盛り込むことなども発表されている。もちろんこれらは全て計画であるからして、何らかの理由で変更になる可能性もないではないけれど、今回の発表が全てではないにしろ実現していくとしたなら、2022年のアルファ・ロメオは現在とは大きく様相が変わるんじゃないか? と思われる。

 FCAグループの総帥であるセルジオ・マルキオンネは、2019年のどこかのタイミングで引退することを表明しているが、その彼が最後の大仕事として取り組んでいるのが、アルファ・ロメオ・ブランドの再構築。F1の世界にアルファ・ロメオの名前を復活させたのもその一環だ。現在66歳であるマルキオンネが、FCAにおける自身のキャリアの最終段階をしょぼ〜いカタチで締めくくるとは考えにくい。ということは……と期待がムクムクと湧き上がってきて、やっぱり小躍りしちゃうのである。

嶋田智之

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