
角島大橋(No.074)
エメラルドグリーンの海を駆け抜ける麗しき道。
海を渡る橋で世界で最も有名なのは、フロリダ半島南端のオーバーシーズ・ハイウェイ(US1号線)だろう。全長10.9kmのセブンマイルブリッジをはじめ、マイアミから最南端のキーウエストまで、42本の橋で多くの島々をつなぐ海上ルートは全長が180kmにも達する。
これにスケールの点では遥かに及ばないものの、美しさでは決して引けを取らないのが角島大橋である。この道を引き立てているのは海の美しさ。エメラルドグリーンから深い藍色まで、光の加減で絶妙に色を変えていく。/p>
「このあたりの海は、貝殻の砕け散った残骸が砂となって堆積しているので、浜辺も海底も真っ白なんですよ。そのうえ水が澄み切っているから、こんなにきれいな色になる。私は日本一の海だと思っていますよ」/p>
こんな話を聞かせてくれたのは、近くのホテルの支配人さんだった。/p>
2000年11月に開通した角島大橋の全長は1780m。これは無料で通行できる橋としては、宮古島の伊良部大橋(全長3540m)に次いで日本で2番目である。開通後、映画「四日間の奇蹟」の舞台となったほか、数々のTVドラマやCMロケ地として話題を集め、人気は急上昇。かつてはフェリーでしか行き来のできなかった人口800人足らずの小さな島に年間90万人近くの観光客が訪れるようになっている。1本の架け橋が新たな名所を生み出したのである。
ご当地情報
A:元祖瓦そば たかせ
瓦そばのルーツは薩摩兵の軍隊料理!?
豊浦町周辺ではお馴染みの郷土料理。茹でた茶そばを熱した瓦にのせ、その上に錦糸卵や炒めた牛肉、のり、もみじおろし、レモンなどがトッピングしてあり、ボリュームたっぷり。しかもアツアツでいただける。西南戦争で薩摩兵が瓦を使って肉や野草を焼いていたという昔話をヒントに、この店の創始者が考案したアイデア料理だという。
●11:00-21:00/木曜定休/下関市豊浦町大字川棚町5437/Tel:083-772-2680
B:しおかぜの里角島
角島特産の海産物をたっぷり味わえる
角島漁協の婦人部が中心になって運営している特産品販売所&レストラン。土産物も料理も海の幸に恵まれた角島ならではのものがたっぷり用意されている。人気のメニューは刺身・生ウニ・サザエつぼ焼き・なめろう・揚げ物など、獲れ立ての海産物が満載のしおかぜ御膳(2200円)など。ワカメを練り込んだうどん「磯みどり」も味わえる。
●9:00-17:00(7-8月は10:00-18:00)/水曜定休/下関市豊北町大字角島853-4/Tel:083-786-0700
C:角島灯台公園
角島のシンボル、御影石で作られた洋式灯台
角島灯台は明治6年に作られた洋式灯台で、灯塔は日本には珍しい御影石造り。設計・建設に携わった3人の英国人は洋館に住み込み、石積みや灯台の維持管理、さらには風邪の治療法まで伝えたため、島の人々からたいへん慕われたという。105段の螺旋階段 で高さ約30mのバルコニーに登れば、360度のパノラマを楽しめる。
●入場料150円(灯台&記念館)/9:00-16:00/定休なし/下関市豊北町角島2343-2/Tel:083-786-0108
角島大橋
◎正式名称/県道276号角島神田線
◎区間距離/1780m(豊北町神田-角島)
◎冬季閉鎖/なし
◎撮影時期/7月下旬
アクセスガイド
角島大橋に最も近いのは中国道・小月ICで、大阪からは約500km、東京からだと約1000kmのロングドライブになる。インターから島大橋までは国道491号/191号経由で約43km。下関市を起点に日本海側を回る国道191号は「北長門コバルトライン」とも呼ばれ、交通量が少ないこともあって、快適なシーサイドライブを楽しめる。
観光情報
下関観光コンベンション協会 Tel:083-223-1144
豊北町観光協会 Tel:083-786-0234
文:佐々木 節/写真:平島 格