まずはリアルを体験
アウディジャパンは去る8月7日(火)、前々日(8/4-5)までスーパーGTラウンド5「富士500マイルレース」の熱戦が繰り広げられた富士スピードウェイにメディアを招集して、「Audi Sport Driving Experience(アウディスポーツ・ドライビング・エクスペリエンス)」を開催。注目はスーパーGTの予選日に、アウディのワークスドライバーである、ブノワ・トレルイエ選手がデモ走行を披露した、「アウディeトロン・ヴィジョン・グランツーリスモ」だ。
もともと、プレイステーション4用のドライビングシミュレーターソフト「グランツーリスモSPORT」のためにデザインされたヴァーチャルカーを、アウディ開発陣が最新「e-Tron」テクノロジーを投入してリアルなEVレーサーに仕立て上げたワンオフのマシン。出力200kWの電気モーター3基で総合出力815psを発揮するEVパワートレインは、0-100km/h加速2.5秒というのだから、そのパフォーマンスをこの目で確かめるチャンスは逃すまじ!
残念ながらリポーターは同乗試乗が叶わなかったものの、出走前のマシンやそのステアリングを握るトレルイエ選手、富士のロングストレートを疾走する「ヴィジョン・グランツーリスモ」を間近に感じられただけでもオイシイ仕事だ。
しかし、アウディジャパンはこれだけで解放してくれるわけがなく、メインプログラムである国際レーシングコース試乗に参加するようにと、現役レーシングドライバーら手練れのインストラクター陣によって準備された最新のアウディRSモデルたちに、メット・グローブ・スーツのフル装備推奨で導かれた。
当然、同乗走行なんて野暮なハナシではない。R8クーペを筆頭に、RS 5クーペ、TT RSクーペ、RS 3のスポーツバック&セダンを自らステアリングを握って、ストレート全開で2回通過という気前のいい試乗プログラムだ。しかも、インストラクターは試乗車と同じモデルでリポーターらを先導し、バックミラー越しに隊列をチェックしながら、最適な走行ラインやペースをコントロールしてくれるのだ。もちろんメインストレート中盤で軽く250km/hに到達してしまう、R8やRS 5のパフォーマンスに驚きながらも、RS 3やTT RSの軽快なコーナリングに触れることで最新クワトロ技術の進化ぶりが再認識できた。
そして、Team Hitotsuyamaの今季スーパーGT300クラスを闘うマシン、「R8 LMS」とスーパー耐久シリーズの「RS 3 LMS」によるタクシーライドにも挑戦。リポーターはR8 LMSと富田竜一郎選手のリアルな組み合わせの助手席(本来は設定なし)で超絶コーナリングに悶絶したり、常識外れのタテヨコGで意識が薄くなったり。これも貴重なひと夏の経験だ。
なによりも驚きは、この前日には同じプログラムをアウディのホットユーザーを招待して体験させていたという。スーパーGTでの活躍やデモランも含め、アウディブランドとファンとの絆がさらに強くなったことは想像に難くない。