旅&ドライブ

旅心をかき立てる道。絶景ドライブ100選「白山白川郷ホワイトロード(岐阜県/石川県)/国道156号・白川街道(岐阜県/富山県)」

白山白川郷ホワイトロード(No.055)
どこまでも深い山々を縫うように走る魅力的な山岳路。

分け入っても分け入っても青い山、種田山頭火の句が頭に浮かぶ。本来は九州山中での句だが、いやいや日本は青い山ばかりである。

「いつまでも雪が残っていて白い山だから白山っていうのよ」。食堂のおばちゃんの言葉を思い出すけれどなかなか白い峰が視界に入ってこない。

白山は岐阜/石川/福井の3県にまたがる火山群で、最高峰の御前峰(標高2702m)を筆頭に大汝峰、剣ヶ峰、別山、三ノ峰を合わせて白山五峰という。白山白川郷ホワイトロード(旧・白山スーパー林道)はこの北側(岐阜県と石川県)を抜けていく。

古くから信仰の山とされ、江戸時代には金沢藩と福井藩で激しい所領争いがあった結果、見かねた幕府により麓の村を直轄領として取り上げられてしまったという。また、白山を登る者はわらじを置いてくるらしい。大昔、山頂に樋を渡して富士山と背比べをした白山であったが、あえなく負けて金沢に水が流れてしまった。人々はわらじで高さを調整したという。

それにしても本当に山深い。五山以外にも連峰をなす山々が折り重なるように行く手に現れては青々とした斜面を見せてくる。それでも、蛇谷渓谷と寄り添うように走る林道は気持ちが良く、やがて連なる山々の向こうに白い峰を見つけたときの嬉しさは格別である。

高い山も良いけれど、深くて白い山も良いものだと思うのだった。

 

国道156号・白川街道(No.056)
白山連峰を望みながら人々の暮らしに触れる道。

国道156号を郡上八幡から北へ向かい、荘川をへて白川郷を抜け、富山県南砺市までを結ぶルートが白川街道と呼ばれる。白山 連峰の東麓を抜ける山と水と街を巡る自然と歴史の道でもあり、道自体にあまり特徴はないものの、いつまでも走っていたい愛おしい気分になる。もちろん、世界遺産である白川郷の風景は、それだけで十分に絶景と呼ぶにふさわしい魅力にあふれる。車を降りて近くに触れて、遠くに眺めて、その重みある歴史と暮らしを感じたい。

 

ご当地情報

★メインカット撮影ポイント

 

A:トヨタ白川郷自然學校
白川郷の自然と文化に触れる温泉宿泊施設

白川郷の萩町集落から10分ほどの距離にある自然体験、文化や歴史の学習施設が一体となった宿泊施設。地元飛騨の木材で作られた建物や調度品、本格的なフレンチを地元食材で味わえるレストランが自慢。総檜風呂と岩風呂(男女日替わり)の内湯と露天風呂があり、深い山里の暮らしの一端に触れることができる。
●1泊2食付10,900円から(入湯税別)/白川村馬狩223/Tel:05769-6-1187

 

B:城山展望台
高台の城跡から白山連峰と合掌集落を一望する

世界遺産・白川郷萩町集落の北東部に位置する萩町城跡にあり、合掌集落や白山連峰を一望できる。どこかで見たことのある風景だなと気がつく合掌集落撮影のベストポイント。展望台までは集落からシャトルバスを利用することもできる。また展望台近くには食堂があり、朴葉焼きでなど飛騨の味を楽しみながらのんびりするのも良い。
●入場無料/白川村荻町/Tel:℡05769-6-1013(白川郷観光協会)

 

C:ます園 文助
飛騨の湧き水で育った新鮮な川魚をいただく

国道360号・越中西街道に面した川魚料理の専門店。岩魚・あまご・にじますを天然の湧き水で自家養殖。年間を通して低温の湧き水で育った魚は育ちは遅いが、身の締まった魚になるという。注文後に池から水揚げ。刺身や塩焼きはもちろん、甘露煮や唐揚げなど、さまざまな料理を味わえる。人気メニューはます園定食(2,310円)。
●9:00-21:00/不定休/白川村荻町1915/Tel:05769-6-1268

 

ご当地情報

★メインカット撮影ポイント

 

D:相倉合掌集落
合掌集落の文化を五箇山でも知る

白川郷の萩町集落、南砺市上平の菅沼集落とともに世界文化遺産に登録される五箇山の相倉合掌集落。ここには現在も23棟の合掌造り家屋があり、ほとんどの家で人々が普通に暮らしている。同じ街道沿いながら白川郷とは約20km離れた場所であり、住環境も文化も異なるこれらの集落のわずかな建築の違いなどを見つけるのも楽しい。
●見学自由/南砺市相倉/Tel:0763-66-2468

 

E:合掌民宿・十右エ門
300年の歴史を感じてくつろぐ白川郷の宿

世界文化遺産である白川郷・合掌造りの家屋に宿泊できる。約300年の歴史を持つ住宅は、まるで時代劇のセットか博物館にいるようで、それでいて田舎のおばあちゃんの家に泊まりにきたような安らぎを感じる。飛騨牛や鮎など飛騨の食材をふんだんに使った料理も美味。そして、宿のおばあちゃんが奏でる三味線もまた美味なり。
●1泊2食付8,700円から(冬季:暖房費がプラス)/白川村荻町2653/Tel:05769-6-1053

白山白川郷ホワイトロード

◎通行料金/1,600円(普通車片道)
◎区間距離/約33km(白川村-白山市)
◎営業時間/8:00-17:00(夏季は延長/冬季閉鎖:11月上旬-6月上旬)
◎撮影時期/10月上旬

国道156号・白川街道

◎正式名称/国道156号
◎区間距離/約75km(荘川-五箇山)
◎冬季閉鎖/なし
◎撮影時期/10月上旬

アクセスガイド
東海北陸道の白川郷ICまでは、東京ICから東名高速・東海環状道経由で493km、名古屋ICから175km、名神・吹田ICからは295km。首都圏からだと中央道・長野道経由で松本まで行き、そこから飛騨高山経由というルートもありだ。白山白川郷ホワイトロードの石川県側の入り口となる中宮料金所までは北陸道・小松ICから約40km。北陸道・白山ICからは28km。

観光情報
五箇山観光総合案内所 Tel:0763-66-2468
白川郷観光協会 Tel:05769-6-1013
荘川観光協会 Tel:05769-2-2272

 

文:佐々木 節/写真:平島 格

※料金・営業時間・問合せ先などは平成27年9月時点のものですので、お出かけの際には最新情報をご確認ください。また特に表示のないものは消費税8%税込み料金で、宿泊料は原則2名1室利用時の1名分の料金です。

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