ボンネットバスの廃車解体をなんとか阻止したい!
2018年11月18日(日)、第11回奈良交通ボンネットバス撮影会に参加してきました。
この撮影会は、”奈良交通に最後に一台残ったボンネットバスを定期的に動かすことによって、なんとか廃車解体を阻止したい!”という個人の情熱によって立ち上げられた、”奈良交通のボンネットバスを守る会”の主催で開催されたもので、毎回奈良の景色がいい場所、今風に言うとインスタ映えするスポットを巡る撮影会を春秋の2回開催しているそうです。
秋季ラウンドの今回は、奈良交通奈良営業所を出発し、天理イチョウ並木、近鉄榛原駅、旧上田口弁天宿泊所、日本一美しい村宣言をした曽爾村、山粕めだか街道などを撮影しながら奈良交通榛原営業所で終了という、山と紅葉をメインにしたコースでした。
さあ、22人のボンネットバス好きを乗せて、いざ出発!
通常運行車としては最古参の、日野ブルーリボン前後ろドア車と、最新型いすゞERGAが並ぶ早朝の奈良営業所を出発。
まずは今日の注意事項とルート説明を、奈良交通ボンネットバス運転資格も持つ松山豊車掌と、主催者の木村さんから受けました。
最初の撮影スポットは天理イチョウ並木です。
近鉄榛原駅では、今回のボンネットバスと連番のシャシーナンバーを持つ、元奈良交通のボンネットバス銀河号がちょっとだけ合流。昭和41年製のこの銀河号は、奈良交通から広島の鞆鉄道、東海バス伊豆の踊子号などをへて今に至っています。
ボンネットバスの車内からボンネットバスを見るという貴重な体験!?
銀河号はこの後別のイベントに向かっていきました。
風情のある家屋や、森林に囲まれた広い駐車場でも撮影。近所の人も参加しています。
こちらは旧上田口弁天宿泊所。このバスが現役だったころはここが終点で、乗務員は右側の宿泊所で夜を明かしたそうです。
曽爾高原ファームガーデンでは、突然現われたボンネットバスにみなさん大盛り上がり!
名物のこれぞ草餅!をつまんで次の撮影ポイントへ。
鎧岳・兜岳など景色のいいスポットを巡ります。
イチョウに埋まるボンネットバス。
榛原営業所では、今後の動向が心配な日野ブルーリボン3ドア車との記念撮影。
最古参車と最新型車の並び。こんな組み合わせが見られるのは奈良交通だけ?
今回の乗務員は新宅和昭運転手(左)と松山豊車掌(右)のお二人。松山さんもボンネットバス運転手資格を所有しており、4人しかいない奈良交通ボンネットバス使いのひとりです。しゃべりもうまかった!
各撮影ポイントでは、長く駐停車できない場所も多くあったため、止まってだだだっとバスから降り、5分以内に撮影し、まただだだっと乗って出発の繰り返しだったのですが、22人が一斉に撮影を始めるためベストショットがなかなか撮れない。さらに、背景に電柱や電線が映り込むのを避けるためにアングルを工夫し……ということをする人も多いのでほぼ一発勝負。みなさんの真剣なこと!この緊張感が楽しい。
関東からの参加者もあったのできっかけを訊いてみると、ボンネットバス好きという趣味人がいて、日本中のボンネットバスイベントに行くと必ず見かける顔があるのだそうです。何度か顔を会わすうちに自然と情報交換するようになり、そのうちのひとりからこのイベントのことを知ったのだとか。バス好きではなくボンネットバスだけが好きとは。趣味の世界も深いですね。
最後に、主催した木村さんに苦労話を聞いてみました。
「ロケハンで景色のいいところを探すのですが、バスをある程度の時間置ける場所となるとなかなか難しいんです。今回のようなイチョウや紅葉となると、ロケハンから当日の状態を想像しなければならないし、その後の天候によってはなくなってしまっていることもあります。今日も狙っていたイチョウの木がボウズになってしまっていたように(笑)ロケハンにも何度も行きますが、それがまた楽しいですね」
奈良交通ボンネットバス好きがしんどくも楽しくロケハンをしてくださる結果、毎回すてきなスポットを回れるツアーが実現できているのでしょう。個人主催で11回も続くだけでなく毎回満席なのも頷けます。
次回は2019年4月に予定されているそうです。
これ以外にもボンネットバスの別のイベントが予定されていますので、興味のある方は情報をチェックしてみてください。
1月12日(土)大和郡山市「町家物語館」開館一周年記念~古き町家をボンネットバスで訪ねて~
https://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/kankou/event/info/005324.html
3月17日(日)NPO法人 五新線再生推進会議によるイベント
http://www.gojo.ne.jp/goshin-sen/moku-rail.html
ページは昨年のものですが、今年も開催予定とだそうです。今回は3台のボンネットバスが集まる予定とか。