ハンドリングと乗り心地も大幅に改善されている
実に12年ぶりのビックマイナーチェンジを遂げたデリカD:5は、プロトタイプが姿を見せてから、その奇抜ともいえるフロントマスクが最大の話題だ。しかし変わったのは顔つきだけではない。走りも着実に進化を遂げていたのだ!
依然としてファミリーからの人気も高く、多くのモデルがひしめき合っている国内のミニバン市場にあって、三菱デリカD:5は、独特の存在感を放つことで根強いファンも多い。そんな同車が12年ぶりにビッグマイナーチェンジを実施。すでにプロトタイプの試乗記はお届けしているが、この度、ようやく市販モデルを試す機会を得た。
まずは一番の話題となっているデザインだが、これは賛否両論あるだろう。フロントのLEDライトを多用した造形とグリルの形状は、アイキャッチ性も高く、並みいるライバルをもしのぐ大迫力。デリカのタフネスぶりを最大限に表現したものだが、好き嫌いが分かれる可能性が高そうだ。
一方、エンジンは2.2L直4ディーゼルターボに一本化された。こちらは尿素SCRの採用やフリクションの低減、レスポンスを向上させる制御などの改良が施され、最高出力145ps、最大トルク380Nmを発生。組み合わされるトランスミッションも8速ATとされ、低燃費とともに、動力性能も向上しているという。
またボディも、補強とともに形状の最適化を図るなどで剛性をアップ。ステアリングは、デュアルピニオンEPSの採用により剛性を高めつつ、リアダンパーのサイズアップにより操縦性と乗り心地の両立を実現しているという。
動力性能に関しては、進化の度合いが顕著。ディーゼルターボの分厚いトルクは加速もパワフルで、2トンあまりのボディをストレスなく走らせることができる。
ステアフィールも自然でクセがなくスムーズ。車高が高いゆえそれなりのロールは許容するものの、不安な部類の動きは皆無で弱アンダーステア気味にコーナーをクリアしていく。路面の大きめのギャップはそれなりに拾うが、乗り心地もなかなか快適であった。 見た目だけでなく中身も大幅にリニューアルしていたデリカD:5、押し出し重視のスタイルが好みなら、大いにアリのモデルだ。