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プジョー・3008 GT Blue HDI vs マツダ・CX-5 XD Lパッケージ 2WD、欧州車レベルに達した日本車をプジョーが迎え撃つ【清水和夫のDST】#87-1/4

清水和夫のダイナミック・セイフティ・テスト(Dynamic Safety Test)
Number87(SEASON.9):欧州車レベルに到達した日本代表をプジョーの個性派SUVが迎え撃つ

プジョー・3008 GT Blue HDI vs マツダ・CX-5 XD Lパッケージ 2WD

CセグメントのSUVが世界的にヒットしている。大型SUVほど本格的なオフロード性能を求められず、FFの2WDモデルを設定するなど、シティユースモデルが人気を集めている。その象徴ともいえる2台が、今回の主役であるプジョー3008とマツダCX-5だ。新たな価値観を提案し、激戦のクラスで存在感を放つ2台のリアルパフォーマンスに迫った。

プジョーのサスセッティングは絶妙

プジョーの得意分野といえば「サスペンションセッティングとディーゼルエンジン」。ヨーロッパで専門家たちに聞くと、そうした答えが返ってくる。なんともマニアックな自動車メーカーだが、3008GTラインはその言葉を見事に表現するようなモデルだった。
特にサスセッティングは絶妙だ。街中ではやや硬く感じるものの、速度域が上がると、しなやかに動き出す。もはや、これがプジョーのスタンダードな味付けとなっているが、3008もそれを受け継ぎ、高速周回路を走れば乗り心地はグレードアップするし、130km/hのレーンチェンジではスムーズに、狙ったラインにピタリと収まる。あらためて感心してしまうが、ステアリングの入力に対して過敏さはなく、遅れることもなく、フラット感とほどよいロール感を伴って、ドライバーに不快さを与えない、伝えない挙動に終始する。人間の感覚を重視して作り込まれた完成度の高いSUVなのだ。唯一残念だったのは、ウェット旋回ブレーキだった。タイヤのウェット性能とABSをリファインすれば、満点に近い成績を収めることができただろう。
CX-5はマツダの主力車種だけあって、突出した性能があるわけではないが、トータルバランスの高さで勝負している。
高速周回路の乗り心地は、新型となってGベクタリングが進化したのか、タイヤの接地性が高められ、3008によく似てサスペンションのしなやかさが増していた。ステアリングを操舵しても、フロントタイヤの確かなグリップが伝わってきて、最新の欧州SUVと比べても遜色のないスタビリティが常に保たれる。欧州車の下に日本車が位置していた時代はもう過去のものになったと実感した。

あらためて感じるマツダのハイレベルなシャシー性能

先進的なエンジンの開発で話題を集めているマツダだが、ウェット旋回ブレーキをテストしてみてあらためて感じたのが、ハイレベルなシャシー性能だ。ウェットでの実力は想像を越えるもので、ストッピングパワーも、ライントレース性も抜群に良かった。絶対的なストッピングとライントレース性の評価は他のライバルと比較しても、アタマひとつ抜き出ている印象だった。
さて、今回のテスト車両はともにディーゼルエンジンを搭載していたが、その本場であった欧州ではフォルクスワーゲンのディーゼル不正問題が引き金となって、いまだ逆風が吹き荒れている。いっぽう、その昔ディーゼルモデルが敬遠されていた日本では、技術進歩によって排気ガスの問題がクリアされ、ディーゼル=プレミアムのイメージが定着しつつある。数年前までディーゼルは欧州車のコア技術だったが、いまや形勢は逆転している。
ディーゼルエンジンが得意のプジョーと比べると、まだまだCX-5といえども足りない部分はあるが、技術的には驚異的なスピードで追い上げているのは間違いないところだ。

タイヤのウェット性能が勝負の行方に影響!?

テスト対決の結果としてはCX-5が勝利した。しかし、ドライ路面ならCX-5と変わらない性能を発揮することもまた、明らかになったのは事実。3008は、ウインターまでを意識したオールシーズンタイヤを標準装着するが、ウェット性能は期待したほどではなく、ABSの制御を含めてそれが影響を及ぼしたようだ。
CX-5はGベクタリングを搭載するが、どのような状況下で、どのように働いているのかわかりにくいものの、漢方薬のように、運動性能全体にじわりと効いているのだろう。CX-5はシャシーも大きく進化を遂げ、それがテスト結果にも表れた。

RESULT

プジョーを凌駕! 欧州車の高い壁を乗り越えたCX-5

●マツダ・CX-5XD 2WD L:17.5/20点
●プジョー・3008 GT Blue Hdi:16/20点

 

リポート:清水和夫/K.Shimizu フォト:篠原晃一/K.Shinohara ル・ボラン 2018年2月号より転載
LE VOLANT web編集部

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