カー・マガジン編集部員がこれは!と思った趣味グルマを紹介する”100万円でドロ沼に陥る!?” 今回は、イタリアン・ホットハッチの定番、フィアット・プントをご紹介。まだ新しいと思いつつ、登場したのは20年以上も前。ということは良好な個体も減少傾向にあるわけで……。
フィアット・プントとは?
プントは、1993年にウーノの後継モデルとして登場したBセグメントのコンパクトハッチで、現行モデルは日本未導入だが本国では未だ現役。フィアットの基幹モデルで、当時のトップセールをマークしている。スポーティなスポルティング・アバルトの他、写真のカブリオレも用意されていた。
やりすぎない心地よい毒っ気に心酔
1993年に、フィアット127→ウーノの後継として登場したプント。フィアットの基幹車種とあって決して失敗は許されなかったが、プントはその役割を見事に果たしベストセールを幾度となく記録している。Bセグカーとして求められる”実用性の高さ”は折り紙付きだが、走行性能はよく言えばフツー、クルマ好きの心をくすぐる程かといえば物足りなく感じるだろう。

<パンダ並みの実用度>
ベースはコンパクトかつ高い実用性を身上とするプントとあって、3ドア・モデルながら5人乗車+荷物収容も可能だ。専用のエアロを装着するが、現代の目で見ればやり過ぎていないデザインが○。
そこで今回取り上げたのがプント・スポルティング・アバルトだ。その成り立ちは簡単に言うと純正オプションのリネア・アバルト、日本でいうところのディーラー装着オプションのエアロパーツで迫力のある外観を獲得。そして走りの面ではプログレッシブレートのコイルスプリングを奢り、味気ない走りを一新させている。エンジンは小型軽量で定評のあるFIRE系で、新開発となる直列4気筒1.24リッターDOHC16バルブを搭載している点がトピックだった。トランスミッションは5速M/Tのみ。最高出力は86psと目を見張るほどではないが、マニュアル操作でエンジンを高回転まで使い切る楽しさは小排気量モデルならではの魅力だ。ポテンシャルは秘めたまま……、なんてことはなく持てる力全てをさらけ出してくれる。

<苦にならない刺激>
エンジンは、フィアットでお馴染みの小型で軽量な”FIRE”系の直4。スポルティング・アバルトはDOHCヘッドを持ち、排気量1240ccから86psを発揮する。驚く値ではないが、5速M/Tを積極的に操作して楽しめる。
コルソ・マルケ38番地に思いを馳せて堪能すべし。
2代目プントのHGTアバルト(130ps)とスペック比較して、スポルティング・アバルトは……なんて言われることもあるが、スペック=クルマの魅力ではないことはカー・マガジン読者であればご存知のはず。ミラノ風やナポリ風などに倣って言うなら、プント・スポルティング・アバルトは、カルロ・アバルトが手掛けた純レーシングマシーンの直系ではなく、その香りをホンノリと漂わせたコルソマルケ風といったところで、やり過ぎない絶妙なバランスが美点だ。
イタリアン・ホットハッチの定番モデルのため「今更?」と思われるかもしれないが、内外装のコンディションが良く、実走2万kmなんて個体に出会える機会はめっきり減っている。いまさら、ではなく今こそ買うべきモデルがプント・スポルティング・アバルトだ。
1998 FIAT PUNTO SPORTING ABARTH
車両購入価格:590,000 円
心地よい刺激度 ★★★★
実用度 ★★★★
ドロ沼度 ★★★
ハイスペックでなければアバルトの名を冠するに値せず、なんて言う人を笑い飛ばすぐらいの度量を持って、スポルティング・アバルトの本質に触れてみたい方は一見の価値あり。走行2万kmとローマイレージで、鮮やかなイエローのペイントがヤレていない点も嬉しい。
- <適度にスポーティ> フロントに備わるスポーツタイプのシートはサイドサポートが立ち過ぎず、普段使いに適した形状だ。
- リアの居住性の高さも魅力。また、走行2万kmとあってコンディションの良さも見逃せない。
- シートセンターのファブリックやドアの内張りも、ポップな専用デザインとなる。
- ラゲッジスペースは通常時でも十分の広さだが、リアのシートバックを倒して拡大することが可能だ。
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