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JNCAPが2018年度の結果を発表

フォレスター、クラウンがJNCAP大賞受賞。事故自動通報システム評価では輸入車優位に

衝突安全性能と予防安全性能をジャッジする自動車アセスメント(JNCAP)の2018年度の結果が公表された。衝突時の安全性を評価する「衝突安全性能評価」に11車種が、衝突被害軽減ブレーキなど先進安全機能を評価する「予防安全性能評価」に21車種が選ばれて試験されたが、衝突安全は2017年度より3車種減り予防安全は1車種増えている。

新車を何台も潰さなければならない衝突試験はコストも時間もかかるので減るのは致し方ない気もするが、10年前の2007年度は自動車メーカーからの申し出車両(費用はメーカー負担)を含めて19車種が試験されていたことを思うと、やや物足りない気もする。一方でクルマを潰す必要のない予防安全試験は増える傾向にあり、2017年度と同じ車種(機能がアップデートされている)も選ばれている。ちなみに両試験ともに輸入車は選ばれておらず、そこもちょっと残念だ。
衝突安全は2018年度から配点方法が変わり、208点満点だったのが100点満点となった。項目ごとでは歩行者保護性能が37点満点、乗員保護性能が59点満点、シートベルト着用警報が4点満点という配点となる。その結果は別表の通りだが、スバル・フォレスターとトヨタ・クラウンが96.5点という飛び抜けた高得点で並び、この2車は「衝突安全性能評価大賞」を受賞。クラウンはポップアップボンネットの効果などで歩行者保護性能で満点近い高得点となり、フォレスターも歩行者保護エアバッグの効果で歩行者保護性能を確保し、乗員保護性能で満点近い高得点を得ている。なお、クラウンは後席シートベルトの着用警告が表示のみで警報音がなかったため評価がやや低くなっている。
11車種のうち8車種が最高評価の5つ星となり「ファイブスター賞」を受賞した一方で、スズキ・ジムニー、ダイハツ・ミラトコット、ホンダN-VANの軽自動車3車は得点がやや伸び悩んで4つ星に留まっている。サイズに制約がある軽自動車ゆえのハンディが出た形だが、3車とも大幅に劣っているわけではないことは数字からも分かるだろう。
予防安全に関しては2018年度から新たに「ASV+++(トリプルプラス)」が導入され、21車種中15車がこの新評価をクリア。2018年度から衝突被害軽減ブレーキの夜間性能評価(対歩行者)、高機能前照灯評価、ペダル踏み間違い時加速抑制機能評価が新たに加わり、あわせて8項目もの先進安全機能がジャッジされるが、トヨタ・アルファード/ヴェルファイアはそれをすべてクリアして満点の126点を獲得。予防安全性能評価大賞が授与されている。

一方でトヨタ・カムリやホンダ・オデッセイ、三菱エクリプスクロスなどは衝突被害軽減ブレーキが夜間対応していないために点数を稼げず、ASV+++を逃している。ちなみにホンダNーVANは夜間対応のホンダセンシングを備えているだけでなく評価点数も高く、唯一の軽商用車ながらASV+++の評価を受けている。
また、JNCAPでは2018年度から「事故自動通報システム機能評価」も始めている。これは点数などでの評価でなく、搭載されているクルマと機能のリストアップだが、こちらは搭載106車のうち73車種が欧州ブランドの輸入車。日産、マツダが「D-Call Net」に参加したことで2019年度は日本車がもっと増えるだろうが、現時点では輸入車優位となっている。今後はこうした事故後の対応も含めた評価も重視されるようになるようだ。評価項目が次々と増えるJNCAPだが、それだけ細部まで安全性をチェックできる利点もある。その内容は日本自動車事故対策機構(NASVA)のサイトで見ることができるし、評価結果をまとめた小冊子も無料で手に入る。新車購入を考えているなら一度チェックしてみることをお勧めする。

ル・ボラン2019年8月号より転載
田畑修

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