「舵を最後まで効かせること」が重要な開発テーマ
さらに、ブレーキングしつつ最もタイトな右15Rに飛び込むと、進入がややオーバースピードぎみだったのでインにつけないと思いステアリングを切り足すと、ノーズがグイッと向きを変える。開発エンジニアによると「舵を最後まで効かせること」は重要な開発テーマだったとのこと。
すでに、安定性と操縦性が優れていることが確かめられたので最大の勝負どころである右100Rで安心してコーナリング限界が極められる。進入時はブレーキの踏み加減、コーナリング中はアクセルの踏み加減で狙った走行ラインをトレース。その過程で、前後のタイヤは少なからずスライドするが挙動変化は想定範囲内だ。
RC Fは、いきなり限界を超えそうな危なっかしさを感じないモデルだ。そのため、数ある超高性能モデルの中でもサーキットでの走りがダントツで楽しみやすい。
だからといって、刺激が足りないわけではない。エンジンは、最高出力を4上乗せし481を発揮。アクセル操作に対する出力特性が非線形から一直線になっているので、スペック以上に高回転域でパワーが伸びる感じがする。
さらに、新たに追加された走り最優先のパフォーマンスパッケージはチタン製の4連エキゾーストマフラーを装備。ノーマルと比べ中回転域での音量を高めているだけに、エンジン回転数に対して一直線でパワーが上昇する感覚をサウンドでも演出している。しかも、チタンならではの高周波サウンドが加わるので、1.5kmのストレートエンドで250km/hを超える際のスピード感にシビレてしまう。なおかつ、CFRP(カーボン繊維強化樹脂)製の専用エアロパーツは最適なダウンフォースを発生させるので、超高速域での安定性はノーマルをはるかに超えていた。
ところで、RC Fと同時にRCのマイナーチェンジも実施した。なかでも、3.5LのV型6気筒を積むRC350は舞台が公道なら意外なほど迫力ある走りが楽しめる。ただ、RCはスポーティなだけではなくラグジュアリーな一面もある。そんな走りを期待するなら、2.5Lの直列4気筒にモーターを組み合わせるRC300hがオススメだ。快適な乗り心地とスッキリとスムーズなステアリングの切れ味も実現していた。