標高が2400mもあり高い確率で雲海と出会える
富士山と雲海の組み合わせには、大きく分けてふたつの見方がある。ひとつは「富士山から雲海を見る」、そして、もうひとつが「雲海の富士山を見る」だ。
まず、富士山から雲海を見るには、五合目まで通じている3本の富士登山道路を駆け上がることになるのだが、そのうちで筆者が最も気に入っているのが南麓の富士山スカイラインである。
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北麓の富士河口湖町から標高2305mの富士山五合目まで延びる富士スバルラインは、通年営業の有料道路(普通車:往復2,100円)。3本の登山道路はすべて7月10日から9月10日までマイカー規制を実施している。
終点の富士宮新五合目は標高が2400mあり(ただし、これは区切りを良くした公称値で実際は約2380m)、乗鞍スカイラインが走れなくなった現在、マイカーで行ける国内最高所である。しかも、この五合目周辺は夏山シーズンを除けば駐車スペースに余裕があり、そこからの展望も開けているので、雲海を眺めるには格好の場所となっている。
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山頂をめざして登山をすれば、当然ながら、雲海と出会う確率はさらに高くなる。
もちろん、標高が高いというのは、雲海と出会うには非常に有利な条件で、早朝ばかりでなく、下界が曇りや小雨の日でも、富士山スカイラインを駆け上がっていけばやがて雲の層を突き抜け、すばらしい雲海風景と出会える可能性も少なくない。
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雲の海の水平線から太陽が昇るご来光は、まさに感動のシーンである。ただし、一般的な夏山シーズンは7月から8月までの2カ月のみなので、かなりの混雑を覚悟しなければならない。
一方、富士山にかかる雲海を見られる場所は、この日本一の山を中心に数え切れないほどたくさんある。なにしろ標高3776mの富士山は、直線距離で100km以上離れた高峰高原(Spot 26)や高ボッチ高原(Spot 39)からでも遠望できるからだ。
Spot 34・35・36では誰でも気軽にクルマで行ける人気のスポットを紹介しておいた。
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富士宮新五合目からは駿河湾や伊豆半島も眼下に見える。高低差2400mの絶景と出会える場所は、国内にはそう多くないはずだ。
アクセスガイド
富士山スカイラインの富士宮口新五合目までは、東名高速・御殿場ICから県道23号(富士山スカイラインの周遊区間)などを通って約37km、富士五湖道路の須走ICからは約35km、新東名の新富士ICからは約40km。1時間ほどの道のりだ。雲海やご来光を眺めるには、日の出前に五合目まで登っておきたいところだが、春先や晩秋(冬季閉鎖の前後)は路面凍結に十分な注意が必要。夜明け前は道路への鹿の飛び出しにも気をつけてほしい。
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Data【Route 33 富士山スカイライン】
雲海遭遇率 ★★★
雲海の季節 春〜秋
◎所在地/静岡県富士宮市
◎ルート/県道152号、富士公園太郎坊線
◎区間距離/約13.5㎞(登山区間)
◎最高地点/標高約2400m
◎冬季閉鎖/11月下旬~4月下旬
◎マイカー規制/7月10日~9月10日
観光情報
富士宮市観光協会 TEL 0544-27-5240
御殿場市観光協会 TEL 0550-83-4770
文:佐々木 節/撮影:平島 格