走る機会が多い市街地走行の充実性も考えたチューン
仕上がりの良い前後カラードバンパーと同色のオーバーフェンダーをまとい、ラグナのホイールにトーヨー215/70R16を履いたJB74は、風格のある佇まいを見せている。さっそく乗り込みドライビングポジションを調える。
フロントに装着されたマルチアクションコイルスプリングと15段調整のマルチアクションダンパー。
まだ、エンジン関係には手が入れられていないこともあり、その排気音は静粛。外観の剛健なイメージとのギャップにちょっと戸惑う。が、走り始めると、その乗り味の大人っぽい仕上がりに気づく。舗装路の走行がとても気持ちよい。乗り心地に荒さがなく、フラットな印象だ。
マルチアクションダンパーは熱ダレに強いツインチューブを採用、微低速域の減衰の立ち上がりが良い。
このチューニングのポイントのひとつがバネ下重量の軽減管理なのだろう。履いているタイヤ&ホイールは、同サイズの他メーカータイヤ&ホイールに比べ、4輪合計10kg程度のバネ下重量軽減を果たしている。バネ上重量に換算すると100kgに近い数値で、運動性の向上に大きな効果となる訳だ。
マルチアクションコイルスプリングは防錆処理が万全。塗装面に誇らしげにMATのロゴが刻まれる。
そして、サスペンションセッティングも吟味された。こだわりぬいて開発したマルチアクションコイル74と15段調整式のツインチューブマルチアクションダンパーのコンビがそれだ。コイルスプリングは30mmアップとし、純正仕様を若干高くした程度でやみくもに車高を高くしていない。リアブレーキホースを純正のまま使用できるブレーキホースアジャスターも装備する。
純正ブレーキホースをそのまま利用するブレーキホース延長ブラケットは、コスト低減だけでなく工数も削減。
ダンパーのセットアップはドライバーの好みにもよるが、フロント8/リア6を軸にアジャストした組み合わせが快適にオンロードを走らせる。ちなみに、空気圧はやや低めのF1.8k/R1.7kがマッチしている。もちろん、オフロードの走行も可能だ。
ヘッドライトオートレベライザーも延長ブラケットの採用で正常に機能する。
新たに4L時に作動するブレーキLSDトラクションコントロールが加わったことで、30mmアップのサスながら、ハードなシーンのクリアもできる。
マルチアクションダンパーの減衰力調整は頂部の小さなダイヤルを操作して行う。