レンジローバーはまさにブランドの真髄
ラインナップの増加はブランドの希薄化と表裏であることは間違いない。が、一方でSUVが時代の標準となる中でレンジローバー1車種でニーズのすべてを賄うこともまた不可能だ。先述の3モデルが先進性や収益性、スポーティネスといった項目を担ってくれたおかげで、レンジローバーはど真ん中でブランドの真髄を気兼ねなく体現できる環境が整ったわけだ。
![RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY PHEV](https://carsmeet.jp/wp-content/uploads/2020/09/LV2010_070-071_08-1024x682.jpg)
RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY PHEV/トップ・オブ・SUVの名に恥じないラグジュアリー感あふれるインテリア。シートにはセミアニリンレザーを採用するなど、その質感や肌触りは非常に魅力的だ。試乗車のようにオートバイオグラフィであれば、後部座席はスイッチひとつでリクライニングを開始、同時にフットレストが迫り出しリラックスモードに変更される。また、今回のテスト車両はPHEV仕様。フル充電に要する時間は約2時間45分。家庭用電源の場合は7.5時間で完了する。
レンジローバーの乗り味は、同系のアーキテクチャーを用いるレンジローバースポーツとも大きく異なる。操舵や加減速のフィーリングの柔らかさ、大きな上屋をふわりと支えながら路面との接触感はしっとり伝えてくるシャシーセッティング、掌の腹で微妙な保持や入力を促す角張った断面のステアリング、前両端がガチッと見切れるボンネットのクラムシェルデザインと、その官能性のあらかたが初代からの泥の伝統の延長線にきっちりと軸足を乗せている。
![RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY PHEV](https://carsmeet.jp/wp-content/uploads/2020/09/LV2010_070-071_09-1024x682.jpg)
RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY PHEV
今やPHEVまで用意されるパワートレインの多彩さも意に介さないほど、器たる車体が揺るぎない。次期型にはカリナンやベンテイガも向こうに回しながら、レンジローバーとはどうあるべきかを再定義する試練も課されるだろう。が、この確たる世界観が守られればブランドに揺るぎはないはずだ。
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RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY PHEV
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RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY PHEV
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