レギュレーションの変遷期に入った1994年、グループCカーは様々な制約を課せられていた。 その中、トヨタは出場最後の機会として96C-Vをサードとトラストに託した。 ポルシェは1台でも公道走行可能な車両があれば良いとするGT1規定を逆手に取り、962Cをダウアー962LMに仕立て上げル・マンにやってきた。 決勝には48台が出走。ヴェンチュリ、ブガッティ、フェラーリ。 GT2ではホンダNSXが2台、IMSA GTSでは日産300ZX、マツダRX-7がグリッドについた。 争いは予想通り、ポルシェとトヨタの一騎打ちとなった。ダウアーポルシェはトトラブルを起こし日付が変わる頃にはトヨタのワンツーと変わった。 その後トラストはトランスミッションを壊し脱落。しかし変わってトップに立ったサードは快走を続け、 トヨタのル・マン初制覇は確実と思われた。 残り38分、思いもよらなかったシフトリンケージのトラブルが発生。 ロスタイム18分、ダウアーポルシェにその座を奪われ、夢の実現はまたしても叶わなかった。