ロータス

タイプ132、いよいよベールを脱ぐ!ロータス初のオール電動SUV「LOTUS ELETRE(ロータス・エレトレ)」発表!

ロータスならではの革新性が光るニューモデル

ロータス初の電気自動車SUVとなるニューモデル、「Eletre(エレトレ)」がついに発表された。これは、かねてより「タイプ132」というコードネームでしばしば話題になってきたものだが、ロータス初の5ドア市販車かつ非スポーツカー、初のライフスタイルEVと呼べるもので、これにより同社は、「グローバル パフォーマンスカーブランドへの継続的な変革は、これまでで最も重要なマイルストーンに達した」と位置づけている。

ドラマチックなエクステリアデザイン
ボディサイズは全長5103mm、全幅2135mm(電動リアミラーディスプレイ車)/2231mm(ドアミラー車)、全高1630mm、ホイールベース3019mm。キャブフォワードかつロングホイールベースの「大胆かつドラマチックな」スタイリングとなっているが、短いノーズはロータスの象徴であるミッドシップ・レイアウトのスタイリングを踏襲したものだという。

このデザインの特徴的な要素は、エミーラやエヴァイヤにも見られる「ポロシティ」であるとのこと。ポロシティとは、固体物質に含まれる孔や隙間といった空隙の割合を示す言葉であり、このエレトレも、「車の中を空気が流れる」という思想で形作られている。それを最も顕著に表すのが、車の前縁の下で空気が流され、ボンネット上部の2つのアウトレットから排出されるところだ。さらにフロントホイールアーチ前方や後方、リアホイール後方、さらにDピラー上部にも同様の空隙が見られる。

また、正面の「アクティブフロントグリル」は、三角形の花びらが連結したデザインとなっているが、静止時、あるいは走行中空気抵抗を減らす必要がある時は閉じたままになる一方、電気モーターやバッテリーパック、フロントブレーキの冷却が必要なときには、独特のパターンで開いて空気をラジエーターに送り込み、クルマが「呼吸」できるようにするのだという。

スマートかつサステイナブルなインテリアデザイン
エレトレのインテリアはエクステリア同様にエヴァイヤやエミーラからインスパイアされたもので、「パフォーマンス指向のテクニカルなデザイン」となっている。ドライバー重視でデザインされたというダッシュボードは、上部フローティングウィングの中央を空白とし左右二分割としているが、これはロータス独自のライトウェイト哲学(必要のないものは取り除く)を示すものとのこと。ハイセンターコンソールには携帯電話用ワイヤレス充電を備えたストレージトレイなどが含まれている。

インパネ上部にはフラットなライトが横切っているがこれは装飾的なものではなく、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)の一部を形成している。このライトの色が変わることによって、電話の入電や車内温度の変更、車両のバッテリー充電状態などが告知される。

ドライバー前方のメーター類は高さ30mm未満のスリムサイズに縮小され、主要車両情報とトリップ情報を伝えるが、これは助手席側も同様で、ドライバー側とは違う音楽選択や近くの名所など、様々な情報を表示。その間には、15.1インチのランドスケープインターフェイスを設置。ここには最新のOLEDタッチスクリーンテクノロジーが採用され、車の高度なインフォテインメントシステムへのアクセスを提供するが、不要な場合にはフラットに折りたたむことも可能。 また、拡張現実(AR)技術を搭載したヘッドアップディスプレイを介してドライバーに情報を表示することもできるという。

スマートなデザインは車室後部も同様で、シートの中央スペースには膝の高さまである引き出しと、2つのカップホルダー、後方には分割式のアームレストを装備。さらに、角度調整可能なインフォテイメント用9インチタッチスクリーンがあり、その下にワイヤレス充電トレイも用意される。また、従来の5座席のレイアウトも選択可能とのこと。頭上は固定式パノラマガラスサンルーフで、室内に明るさと広々とした雰囲気を加えているという(ガラスサンルーフは中国以外ではオプション)。

サステナビリティもエレトレの重要な要素であり、室内の手に触れる主要な箇所には、プレミアム感と耐久性の高い人工マイクロファイバーを、シートにも高度なウール混紡生地を採用、 これは従来の革より50%軽量だという。 硬い部分に使われるカーボンファイバーは、従来の自動車デザインで見られる「織り」ではなく、「織りの端」からトリミングされた繊維をリサイクルして使用。これらは樹脂で圧縮され、高級大理石のように仕上がっているとのこと。

ERMDとLIDERシステム
エレトレではドアミラーの代わりに電動リバースミラーディスプレイ(ERMD)を採用。バックミラー用カメラ、駐車を支援する360度上方カメラ、そしてインテリジェントドライビングテクノロジーの一部である3つのカメラも搭載している(許可されていない市場向けには標準のドアミラーとなる)。このうち3つ目のカメラはエレトレのLIDARシステムと連動し、自律走行機能を実現。フロントウィンドウ上部、フロントフェンダーなどにLIDARセンサーが備え付けられている。LIDARシステムはロータスとしてはエレトレに初採用された技術で、自動運転技術をサポート。ユーザーがスマートフォンアプリを使用して、自動駐車も可能になっているという。また、OTAによるアップデートにより新しい機能を追加することもできる。

ロータスらしさを発揮するパフォーマンス
エレトレは、高電圧配電システムが統合された全く新しい800v EVアーキテクチャ――最適な構造剛性のためにアルミニウムと高張力鋼を使用――に基づいて生産されている。 フラットな「スケートボードスタイル」のバッテリーパックと電気モーターは地面に近く配置され低重心を実現、バッテリーパックの高エネルギー密度は、パフォーマンスと走行距離の最高なバランスをもたらしているという。 電気モーターは前後にひとつずつ配置され、それぞれ前輪と後輪を駆動。その性能は、以下の通り(いずれも目標値)。
●最高出力:600hp~
●最高速度:260km/h
●航続距離:600㎞
●0-100km / h(0-62mph)加速:3秒以下

エアサスペンションとコンティニュアスダンピングコントロール(CDC)が標準装備されるほか、アクティブライドハイト、アクティブリアアクスルステアリング、アクティブアンチロールバー、ブレーキによるトルクベクタリングがオプションで用意されるとのこと。

  • エレトレは、1966年以来ロータスの本拠地であるへセルのチームによって企画開発され、全体的なエクステリアとインテリアは、英国ウォリックシャーに拠点を置く国際チームによってデザインされている。
  • さらに、中国の武漢に新しく立ち上げられたロータステクノロジー部門がグローバルサポート。この部門は、電気モーターとバッテリー技術をリードしてきた。ドイツ・ラウンハイムにあるロータステクノロジーイノベーションセンターのチームは、スウェーデン・ヨーテボリのエンジニアリングチームと共に、コンポーネントの統合、耐久性テスト、認証、公認を支援し、自動車のEV管理システムに取り組んだ。このようにワールドワイドな体制で開発されたエレトレは、中国に完成した新工場にて、今年(2022年)後半から生産開始の予定だという。
CARSMEET web編集部

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